Debian GNU/Linux 2.2 のインストール (Alpha) ------------------------------------------- Bruce Perens Sven Rudolph Igor Grobman James Treacy Adam Di Carlo version 2.2.27, 14 October, 2001 ------------------------------------------------------------------------------- 概要 ---- この文書は、Debian GNU/Linux 2.2 システム - Alpha (``alpha'') アーキテクチャ用のインストールの手引きです。 また、さらに詳しい情報へのポインターのほか、新しく Debian システムを構築する方法に関する情報もその大部分が含まれています。 ただしこの文書で扱う手順は、 既存のシステムをアップグレードする目的には_利用できません_。 アップグレードの手順に関しては、 Debian 2.2 リリースノート (http://www.debian.org/releases/2.2/alpha/release-notes/) をご覧ください。 著作権表示 ---------- この文書は、GNU 一般公有使用許諾の条件に基づいて修正および再配付することが可能です。 (c) 1996 Bruce Perens (c) 1996, 1997 Sven Rudolph (c) 1998 Igor Grobman, James Treacy (c) 1998-2000 Adam Di Carlo なお日本語訳については、鴨志田 睦 (1997 年)、岡 充 (1998、1999 年)、 門脇 正史、鍋谷 栄展、八田 真行、Guangcheng Wen (1999 年)、 遠藤 美純 (1988-2000 年) に著作権があります。 このマニュアルはフリーソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundation が公表した GNU 一般公有使用許諾の第二版あるいはそれ以降のいずれかの版 の条件に基づいて、本文書の再配付および変更を行うことが可能です。 本文書はその有用性が期待されて配付されるものですが、 市場性や特定の目的への適合性に関する暗黙の保証も含め、 _いかなる保証も行ないません_。 詳細については GNU 一般公有使用許諾書をお読みください。 GNU 一般公有使用許諾の写しは、Debian GNU/Linux ディストリビューションの `/usr/doc/copyright/GPL' や、WWW 上では GNU ウェブサイト (http://www.gnu.org/copyleft/gpl.html)にあります。 また Free Software Foundation, Inc., 59 Temple Place - Suite 330, Boston, MA 02111-1307, USA へ手紙 (英語) で依頼し入手することもできます。 この文書から派生したいかなるものも、それが Debian およびこの文書の著者に帰することを正しく明記してください。 また、もしこの文書の修正や改良を行なった場合には、この文書の著者に を通してお知らせいただけるようお願いします。 なお日本語訳に関する訂正や提案などは、日本語版メンテナ 遠藤 美純 にまでお送りください。 Alpha アーキテクチャの表は、Jay Estabrook 氏のご好意により氏が提供されて いる情報を利用させていただきました。 ------------------------------------------------------------------------------- 目次 ---- 1. Debian へようこそ 1.1. Debian GNU とは何か? 1.2. Linux とは何か? 1.3. Hurd とは何か? 1.4. この文書の最新版を入手する 1.5. この文書の構成 1.6. 警告: この文書はテスト中です 1.7. 著作権およびソフトウェアライセンスについて 2. 必要なシステム 2.1. サポートされているハードウェア 2.2. インストールに利用できるメディア 2.3. 必要なメモリー量とディスクスペース 2.4. 周辺機器およびその他のハードウェア 2.5. GNU/Linux に適したハードウェアの購入 3. 始める前に 3.1. バックアップ 3.2. 必要な情報 3.3. インストール前にすべきハードウェアとオペ レーティングシステムの設定 4. ハードディスクのパーティション分割 4.1. 背景 4.2. システムの利用計画 4.3. Linux におけるデバイス名 4.4. パーティション分割の推奨案 4.5. パーティション分割の一例 4.6. インストール前のパーティション分割 5. Debian のインストール方法 5.1. インストール作業の概観 5.2. 適切なカーネルを選択する 5.3. 各インストール作業段階におけるインストールソース 5.4. システムファイルインストールの解説 5.5. TFTP 5.6. フロッピーディスク 5.7. CD-ROM 5.8. ハードディスク 5.9. NFS からのインストール 6. インストーラのブート 6.1. ブートパラメータの引数 6.2. カーネルのスタートアップメッセージの解説 6.3. ハードディスクからのブート 6.4. CD-ROM からのインストール 6.5. TFTP からのブート 6.6. Alpha コンソールファームウェア 6.7. SRM コンソールからのブート 6.8. ARC や AlphaBIOS コンソールからのブート 6.9. MILO によるブート 6.10. ブートプロセスに関するトラブルシューティング 7. `dbootstrap' によるシステムの初期設定 7.1. `dbootstrap' 入門 7.2. ``Debian GNU/Linux インストールメインメニュー'' 7.3. ``キーボードの設定'' 7.4. ラストチャンス! 7.5. ``ハードディスクのパーティションを切る'' 7.6. ``スワップパーティションの初期化と有効化'' 7.7. ``Linux パーティションの初期化'' 7.8. ``以前に初期化されたパーティションのマウント'' 7.9. ``オペレーティングシステムカーネルとモジ ュールのインストール'' 7.10. ``デバイスドライバモジュールの設定'' 7.11. ``ネットワークの設定'' 7.12. ``基本システムのインストール'' 7.13. ``基本システムの設定'' 7.14. ``Linux をハードディスクから直接ブートできるようにする'' 7.15. 決着のとき 7.16. ルートアカウントのパスワードを設定する 7.17. 一般ユーザの登録 7.18. シャドウパスワードのサポート 7.19. プロフィールの選択とインストール 7.20. ログイン 7.21. PPP の設定 7.22. システムの残りの部分をインストールする 8. 次のステップとそれから 8.1. Unix を初めてお使いになる方へ 8.2. Debian に慣れる 8.3. さらなる文書や情報 8.4. 新しいカーネルのコンパイル 9. ブートフロッピーに関する技術情報 9.1. ソースコード 9.2. Rescue Floppy 9.3. Rescue Floppy のカーネルの交換 9.4. Base Floppy 10. 付録 10.1. さらなる情報と Debian GNU/Linux の入手 10.2. Linux デバイス 11. 付記 11.1. この文書について 11.2. この文書に貢献するには 11.3. 多大な貢献 11.4. 商標表示 ------------------------------------------------------------------------------- 1. Debian へようこそ -------------------- 私たちは、あなたに Debian を試していただけることを嬉しく思っています。 また、数々のオペレーティングシステムディストリビューションの中にあって、 Debian が唯一無比であることに気づいていただけるとも確信しております。 Debian は、世界中から素晴らしいフリーソフトウェアをより優り、 首尾一貫したディストリビューションとしてまとめあげられています。 この集大成は、個々のソフトウェア以上の力を発揮することでしょう。 1.1. Debian GNU とは何か? ------------------------- Debian GNU ディストリビューションは、 多数のソフトウェア_パッケージ_から成り立っています。 その各パッケージは、実行プログラム、スクリプト、ドキュメント、 設定情報などから構成されています。また各パッケージには、 そのパッケージに責任を持つ_パッケージ開発者_がいます。 Debian の_めざましい_発展は、このようにして実現されているのです。 Debian 社会契約 (http://www.debian.org/social_contract) に同意していただける方は誰でも、新たな開発者になれます。 そして、新たに開発に加わった方は誰でも、新たなソフトウェアを (フリーに関する私たちの基準にそのソフトウェアが適合し、 作成されたパッケージが品質基準を満たすならば) Debian に導入することができます。 Debian フリーソフトウェアガイドライン (http://www.debian.org/social_contract#guidelines) は、Debian が掲げるフリーソフトウェアの基準に関する明解で簡潔な声明です。 この文書は、フリーソフトウェア運動にも大きな影響を及ぼしており、 オープンソースフリーソフトウェアガイドライン (http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/9803/osd-ja/osd-ja.html) の基礎を提供しました。 Debian の品質基準を定める詳細な仕様書は、 Debian ポリシー (http://www.debian.or.jp/Documents/Documents_ja/debian-policy/)のみです。 この文書は Debian のパッケージが準拠すべき品質や基準を定義しています。 あなたのシステムをトロイの木馬や他の悪意あるソフトウェアから守るために、 Debian は各パッケージが本当の Debian の 開発者によるものなのかどうかを確認しています。 また、Debian の各パッケージは より安全な設定となるように細心の注意が払われています。 もしリリースされたパッケージにセキュリティ上の問題が発生すれば、 その修正版は普通すぐに利用可能になります。 単純にお使いのシステムを定期的にアップデートすることで、 セキュリティが修正されたものをダウンロードしインストールすることもできます。 Debian に関するより一般的な情報については Debian FAQ (http://www.rr.iij4u.or.jp/~hattas/debian_jp/debian-faq-ja.html) をご覧ください。 1.2. Linux とは何か? -------------------- Linux はあなたコンピュータのためのフリーなオペレーティングシステムです。 オペレーティングシステムはコンピュータを動作させるために必要な基本プロ グラムやユーティリティから構成されますが、 その最も重要な部分がカーネルです。 ハードウェアへのアクセスや、ハードドライブの管理、 メモリーの計画的利用、といったハードウェアに関連する作業は カーネルに任せられます。 またカーネルはプログラムの起動も請け負います。 この意味での Linux は単にカーネルのことを指していますが、 人々が普段 Linux と呼ぶものは、実際には Linux カーネルと多くの GNU プログラムをベースとした GNU/Linux システムを指しています。 Linux はフィンランド出身の Linus Torvalds によって書かれ、 1991 年に初めて登場しました。 最近では、数百人の人々がこのカーネルの開発に活発に取り組んでいます。 Linus はこの開発をコーディネートし、何をカーネルに取り入れ、 何を取り入れないかについての決定も行なっています。 1.3. Hurd とは何か? ------------------- _Hurd は痛んでいる_と多くの人々が言っているようですが、 私たちはそうは考えていません。 Hurd は Linux と似ており、それはカーネルです。 ただ、その内部動作の仕組みは異なっています。 モノリシック なLinux カーネルとは対照的に、 Hurd カーネルは MACH カーネルをベースとしたマイクロカーネルです。 Debian GNU/Hurd は、Hurd カーネルを利用した Debian GNU システムです。 その現状ですが、そのベース部分は動作しており、 ほぼ完全に運用できるものですが、いまだ開発の最中にあります。 ナッツシェル本によれば、 Hurd システムは、異なるカーネル管理を行なう Debian GNU/Linux のようにみなされるでしょう。 Debian GNU/Hurd に関心を持ち、こちらに関してもっと詳しく知りたい方は、 Debian GNU/Hurd 移植版のページ (http://www.debian.org/ports/hurd/) や、メーリングリスト をご覧ください。 Debian のメーリングリストを購読するには、 購読ページ (http://www.debian.org/MailingLists/subscribe) をご覧ください。 1.4. この文書の最新版を入手する ------------------------------- この文書には絶えず変更が加えられています。 2.2 リリースに関する最新情報については、 Debian 2.2 ページ (http://www.debian.org/releases/2.2/) にて確認してください。 このインストールマニュアルの最新版は、 インストールマニュアル公式ページ (http://www.debian.org/releases/2.2/alpha/install) からも利用できます。 1.5. この文書の構成 ------------------- この文書は、初めて Debian をお使いになるユーザのために書かれたマニュアル です。お手持ちのハードウェアの動作に関しては一般的な知識があることを前提と していますが、なるべく専門的な知識がなくてもお読みいただけるよう心がけてい ます。 また熟練したユーザであっても、この文書で、最低限インストールに必要な容量や、 Debian のインストーラでサポートされるハードウェアの詳細など、 参考になる情報を得ることができるでしょう。熟練したユーザの方には、 この文書のあちこちをかいつまんでお読みになることをお勧めします。 基本的にこの文書は、実際に体験するインストールのプロセスに沿って、 順々に説明するように構成されています。インストールの各作業段階と、 それに関連するこの文書の各節は以下の通りになっています。 1. 章 2, `必要なシステム' では、お手持ちのハードウェアがインストーラ のシステム要件を満たしているかどうかを調べます。 2. 章 3, `始める前に' では、既存のシステムをバックアップし、 Debian のインストールに先だつシステム設計やハードウェアの設定を行います。 3. 章 4, `ハードディスクのパーティション分割' の説明にしたがって、ハードディスクのパーティ ションを分割します。 パーティションの変更は容易にはできませんので、こちらは極めて重要です。 4. 章 5, `Debian のインストール方法'では、 Debian のさまざまなインストール方法を紹介します。 こちらでは適宜インストール媒体を選び、その準備をします。 5. 次にインストーラをブートします。ブート時に関する情報は 章 6, `インストーラのブート' にて扱います。またこの章では、 ブートに問題があった際のトラブルシューティングの手順についても紹介します。 6. 初期システム設定を行います。こちらに関しては、 章 7, ``dbootstrap' によるシステムの初期設定' の Section 7.1, ``dbootstrap' 入門' から Section 7.11, ```ネットワークの設定''' にかけて説明します。 7. Section 7.12, ```基本システムのインストール''' からは、基本システムのインストールを行います。 8. Section 7.15, `決着のとき' からは、 新たにインストールした基本システムからのブートと、 基本システムインストール後のいくつかの作業を行います。 9. Section 7.22, `システムの残りの部分をインストールする' では、`dselect' や `apt-get' を利用してシステムの残りの部分をインストールします 一旦システムをインストールし終えたら、章 8, `次のステップとそれから' をお読みください。この章では、Unix や Debian に関するさらなる情報の所在と、 カーネルの交換の方法を説明します。 また、ソースから独自のインストーラを構築したい場合は、 章 9, `ブートフロッピーに関する技術情報' をご一読ください。 最後に 章 11, `付記' では、この文書に関する情報、 こちらへの貢献の仕方について触れます。 1.6. 警告: この文書はテスト中です --------------------------------- この文書は、公式 Debian インストールマニュアルの 初期段階にあるプレリリースバージョンです。 不完全で未完成であること、おそらく間違いや文法上の誤りなどがあることは ご了承ください。 もし ``FIXME'' や ``TODO'' の記述があれば、その節が完全でないことが 著者にとって既知であることが確認できます。 この文書を読んでいただける方はお気を付けください。 あらゆるご協力や提案、また特に修正は歓迎いたします。 この文書の x86 以外のバージョンは、特に不完全、不正確で、校正されていない ものです。こちらの作成を手伝っていただける方も必要としています。 この文書の作業バージョンは http://www.debian.org/releases/2.2/alpha/install にあります。 そのサブディレクトリには、この文書の各アーキテクチャ向けの版があります。 また `source' サブディレクトリには、この文書の SGML ソースがあります。 もしこの文書を修正したい場合は、こちらをご覧になるのが適切です。 なおこちらは、`boot-floppies' CVS エリアから毎日再生成されていますのでご注意ください。 1.7. 著作権およびソフトウェアライセンスについて ----------------------------------------------- この文書を読んでいる方は、多数の商用ソフトウェアにあるようなライセンス (購入したソフトウェアのコピー 1 部を、1 台のコンピュータで使用できる) はご存知のことでしょう。しかし、 この Debian GNU/Linux システムはそのようなものとは違います。 私たちは、あなたの通っている学校や仕事場にあるすべてのコンピュータに Debian GNU/Linux をインストールすることを勧めます。また、 友達に貸して、彼らのコンピュータにインストールするのを手伝ってあげましょう。 さらには、わずかな制限にさえ気をつければ、 何千部ものコピーを作って_売る_ことも可能です。 なぜなら、Debian は_フリーソフトウェア_に基づいているからです。 フリーソフトウェアとは著作権を持っていないという意味ではありません。 このソフトウェアを含む CD が無償で配布されているという 意味でもありません。フリーソフトウェアとは、 おおまかなところ個々のプログラムのライセンスにおいて、 プログラムを利用したり再配付したりする権利のためにお金を払う 必要がないことを意味しているのです。 また誰でも、そのソフトウェアを拡張したり、改造したり、修正すること、 さらにその成果を再配付することが可能であることも意味しています [1]。 このシステムに入っているプログラムの多くは、GNU 一般公有使用許諾 _GNU_ _General Public License_ _(GPL)_ にしたがって 利用許諾されています。この GPL は、プログラムのコピーを配布するときには、 必ずプログラムの_ソースコード_を利用可能にしておくことを要求しています。 これは、ユーザがそのソフトウェアを修正できることを保証するものです。 そのため、私たちは、Debian システムに含まれる GPL 準拠のプログラムの ソースコードをすべて収録しています [2]。 Debian に収録されたプログラムの著作権やソフトウェアライセンスの形式には、 他にも数種あります。それぞれのプログラムの著作権やライセンスは、 一度システムをインストールすれば、 `/usr/doc/<パッケージ名>/copyright' ファイルを探せば見つけることができます。 ライセンスや、Debian がメインディストリビューションにソフトウェアを 収録する際に用いているフリーの基準に関してより詳細な情報をお求めの場合は、 Debian フリーソフトウェアガイドライン (http://www.debian.org/social_contract#guidelines) をご覧ください。 最も重要な法律上の注意点は、このソフトウェアが_無保証_であることです。 これは、このソフトウェアを作成したプログラマーらがコミュニティーの利益 を考えてのことです。 ソフトウェアは、いかなる目的への利用に対しても保証されていません。 しかし、ソフトウェアがフリーであるゆえに、ユーザには必要に応じて ソフトウェアを修正する権限が与えられます。 また、このようにしてソフトウェアの拡張が誰かによってなされれば、 その利益も享受できます。 [1] Debian では、私たちのフリーの基準に適合しないパッケージも多数 利用できるようになっていることにはご注意ください。これらは、`contrib' あるいは `non-free' エリアにて配付されています。 Debian FAQ (http://www.rr.iij4u.or.jp/~hattas/debian_jp/debian-faq-ja.html) の「 Debian FTP アーカイブ」の節をご覧ください。 [2] Debian ソースパッケージの探し方や展開の仕方に関する情報については、 Debian FAQ (http://www.rr.iij4u.or.jp/~hattas/debian_jp/debian-faq-ja.html) をご覧ください。 ------------------------------------------------------------------------------- 2. 必要なシステム ----------------- この節では、Debian を始めるために必要なハードウェアに関する情報を扱います。 また、GNU や Linux でサポートされるハードウェアに関するより詳しい情報への リンクも用意しました。 2.1. サポートされているハードウェア ----------------------------------- Debian は、Linux カーネルや GNU ツールセットが必要とする以上のハードウェア を要求しません。それゆえ、Linux カーネル、libc、`gcc' などが 移植されて、Debian への移植版が存在すれば、あらゆるアーキテクチャや プラットフォームで Debian を動作させることができます。 しかし、私たちが用意したブートフロッピーは、サポートされているハードウェア を考慮して構成されたものとはいえ、いくらかの制限があります。Linux がサポート するプラットフォームの中には、私たちが用意したブートフロッピーで直接 サポートされていないものもあります。 このような場合には、独自にレスキューディスクを用意するか (Section 9.3, `Rescue Floppy のカーネルの交換' をご覧ください)、 ネットワーク経由のインストールについて調べる必要があります。 この節では、Alpha でサポートされるハードウェアのさまざまな設定の すべてに触れるよりも、一般的な情報とさらなる情報が見つけられる場所への ポインターを紹介します。 2.1.1. サポートされているアーキテクチャ --------------------------------------- Debian 2.2 は、Intel x86 ベースのアーキテクチャ、Atari や Amiga、 Macintosh などの Motorola 680x0 マシン、DEC Alpha マシン、Sun SPARC マシン、 ARM および StrongARM マシン、CHRP、PowerMac、PReP マシンを含む IBM/Motorola マシンの六つのアーキテクチャをサポートしています。 それぞれ、_i386_、_m68k_、_alpha_、 _sparc_、_arm_、_powerpc_ として言及します。 この文書は _alpha_ アーキテクチャへのインストールを扱います。 なお、他アーキテクチャに関する情報については Debian 移植版 (http://www.debian.org/ports/) ページをご覧ください。 2.1.2. CPU や、マザーボード、ビデオカード のサポート ---------------------------------------------------- DEC Alpha のサポート状況に関する完全な情報については Linux Alpha HOWTO (http://www.linuxdoc.org/HOWTO/Alpha-HOWTO.html) を参照してください。この節の目的は、ブートディスクが サポートする機種について説明することです。 Alpha マシンは、マザーボードとサポートするチップセットに複数の 世代があるため複数の機種に分類されています。 Alpha では機種 (「サブアーキテクチャ」) の違いによって技術と性能が劇的に違うことが多く、 そのため、インストール過程、 より適切にはブート過程がシステムによって異なります。 以下の表に Debian のインストーラでサポートされる機種を 挙げます。表にはこれらの機種に対応する_コード名_も 示します。実際にインストール作業を始める前にこのコード名を調 べておく必要があります。 機種/モデル コード名 =========== ======== ALPHAbook 1 book1 ALCOR AS 600 alcor AS 500 5/3xx alcor AS 500 5/5xx alcor XL-300/366/433 xlt AVANTI AS 200 4/* avanti AS 205 4/* avanti AS 250 4/* avanti AS 255 4/* avanti AS 300 4/* avanti AS 400 4/* avanti DP264 dp264 DP264 dp264 AS DP10 dp264 AS DP20 dp264 AS ES40 dp264 AS XP1000 dp264 UP2000 dp264 EB164 eb164 AlphaPC164 pc164 AlphaPC164-LX lx164 AlphaPC164-SX sx164 EB64+ EB64+ eb64p AlphaPC64 cabriolet AlphaPCI-64 cabriolet EB66 eb66 EB66+ eb66p JENSEN DECpc 150 jensen DEC 2000 Model 300 jensen MIKASA AS 1000 4/xxx mikasa AS 1000 5/xxx mikasa-p NAUTILUS UP1000 nautilus NONAME AXPpci33 noname UDB noname NORITAKE AS 1000A 4/xxx noritake AS 1000A 5/xxx noritake-p AS 600A 5/xxx noritake-p AS 800 5/xxx noritake-p Personal Workstation PWS 433a or 433au miata PWS 500a or 500au miata PWS 600a or 600au miata RAWHIDE AS 4000 rawhide AS 4100 rawhide AS 1200 rawhide RUFFIAN Deskstation RPX164-2 ruffian Samsung AlphaPC164-UX/BX ruffian SABLE AS 2100 4/xxx sable AS 2000 4/xxx sable AS 2100 5/xxx sable-g AS 2000 5/xxx sable-g TAKARA takara XL XL-233/266 xl 2.1.3. マルチプロセッサ ----------------------- 対称型マルチプロセッシング、もしくは SMP と呼ばれるマルチプロセッシングも、 このアーキテクチャではサポートされています。 ただ、Debian 2.2 の標準カーネルイメージは SMP をサポートしていません。 もちろん標準的な非 SMP カーネルは、SMP システムでもブートできますから、 インストールには問題ありません。 標準カーネルは単純に一番目の CPU を用います。 マルチプロセッサを利用するためには、Debian の標準カーネルを再構築する必要 があります。その手順に関する話題は Section 8.4, `新しいカーネルのコンパイル' にあります。 現時点 (カーネルバージョン 2.2.19pre13) で SMP を有効にするためには、 カーネルコンフィグレーションの ``General'' セクションにある ``symmetric multi-processing'' を選択してください。 複数のプロセッサを持つシステムでソフトウェアを コンパイルする場合は、make(1) のドキュメント中の `-j' flag をご覧ください。 2.2. インストールに利用できるメディア ------------------------------------- Debian のインストールに利用できるメディアには、フロッピー、CD-ROM、 ローカルディスクパーティション、ネットワークの四種類があります。 Debian のインストール中に、インストールステップそれぞれに適した メディアに切り換えることも可能です。 こちらに関しては 章 5, `Debian のインストール方法' をご覧ください。 フロッピーディスクによるインストールは、概して最も好ましくない方法ですが、 一般的な方法です。 多くの場合、最初のブートは Rescue Floppy を用いてフロッピーから行う必要があるでしょう。 通常 3.5 インチ高密度 (1440 kb) フロッピードライブさえあれば十分です。 CD-ROM ベースのインストールがサポートされたアーキテクチャもあります。 CD-ROM からのブートをサポートしたマシンでは、完全にフロッピーレスな インストールが可能です。CD-ROM からのブートがサポートされていなかったとしても、 一旦他の手段でブートすれば、他の方法と組み合わせてインストールに CD-ROM を使うことができます。Section 6.4, `CD-ROM からのインストール'をご覧ください。 ローカルディスクからのインストールも一つの選択肢です。 もしインストール先のパーティションよりも大きなパーティションに空き領域 があるなら、こちらは確かによい選択です。 また、ローカルインストーラ (AmigaOS や、TOS、MacOS からのブート用) を持つプラットフォームもあります。 最後の選択肢がネットワークによるインストールです。 基本システムを HTTP あるいは NFS 経由でインストールすることができます。 また ネットワーク越しにお使いのシステムを_ブート_することもできます。 ネットワーク越しにブートを行ない、 すべてのローカルファイルシステムを NFS でマウントして、 ディスクレスなインストールをすることも一つの選択です。 -- ただ、この方法を用いる場合は少なくとも 16MB の RAM が必要になるでしょう。 基本システムをインストールした後は (PPP を含め) 任意のネットワーク接続が可能になるため、残りのシステムは FTP、HTTP、NFS 経由でインストールすることができます。 これらの方法に関するより完全な記述や、 最も適切な方法を選択するためのヒントは、 章 5, `Debian のインストール方法' にあります。 ブートおよびインストールに用いるデバイスが Debian のインストーラで サポートされているかどうかは、以下を読んで確認してください。 2.2.1. サポートされている外部記憶装置 ------------------------------------- Debian のブートディスクには、さまざまなシステムに最大限対応したカーネルが 収められています。そのため残念ながら、まったく使われることのないたくさんの ドライバー (Section 8.4, `新しいカーネルのコンパイル'をご覧ください) が、 カーネルを肥大化させています。 しかし、可能な限り幅広いデバイスのサポートは、さまざまなハードウェアへの Debian のインストールを確実なものとするためには望ましいことでしょう。 Linux カーネルでサポートされる外部記憶装置は、 すべてこのブートシステムでもサポートされています。 以下の SCSI ドライバがデフォルトのカーネルでサポートされています。 * Qlogic ISP * NCR and Symbios 53c8xx * Adaptec AIC7xxx IDE ディスクもサポートされています。 なお、多くの機種において、 SRM コンソールが IDE ドライブからブートできないことや、 Jensen がフロッピーからブートできないことにはご注意ください。 (Jensen のブートに関するより詳しい情報については http://www.alphalinux.org/faq/FAQ-9.html をご覧ください。) 2.3. 必要なメモリー量とディスクスペース --------------------------------------- 最低でも 16MB の RAM と 100MB のハードディスクが 必要です。X Window System や、開発プログラム、ライブラリなどのソフトウェアを、 ある程度インストールするには 300MB 以上必要になります。 ほぼ完全にインストールするなら 800MB 近く必要になるでしょう。 また、Debian で利用できるものを_すべて_インストールするなら、 おそらく 2GB 近く必要になるでしょう。 ただ、実際にはパッケージ同士の衝突があることから、 すべてをインストールことは意味のないことです。 2.4. 周辺機器およびその他のハードウェア --------------------------------------- Linux は、マウス、プリンター、スキャナー、モデム、ネットワークカード、 PCMCIA カードなどのさまざまなハードウェアに幅広く対応しています。しかし、 システムのインストールに、これらのデバイスが必要なわけではありません。 この節では、Linux でサポートされてはいるが、 インストーラではサポートされてい_ない_周辺機器に関する情報を扱います。 Linux カーネルがサポートしているすべてのネットワークインターフェースカード (NIC) が、ブートディスクにおいてもサポートされています。 Alpha マシンの多数にビルトインされている DECChip (Tulip) イーサネットに関しても、そのサポートがカーネルに直接組み込まれています。 (FIXME: the kernel maintainer screwed up and forgot this, make sure this is fixed for the release) 他のカードに関しては、お使いになるネットワークドライバを モジュールとしてロードする必要があるでしょう。 2.5. GNU/Linux に適したハードウェアの購入 ----------------------------------------- 今では Debian や 他の GNU/Linux ディストリビューションをプレインストール したシステムを出荷するベンダーもあります。 その特典のためにより多くのお金を払おうと考えるかも知れませんが、 幅広いハードウェアが GNU/Linux でサポートされていることから、 実際のところこのようなシステムを買うことは、 一つの安心感を買うことを意味するだけです。 Linux がバンドルされたシステムを購入する場合でも、中古のシステムを購入する 場合でも、そのハードウェアが Linux カーネルでサポートされているか改めて 確認することが重要です。 前述の参考資料の中に、そのハードウェアがあげられているかどうかを 確認してください。 (もしいれば) 購入先の販売員には、Linux システムを購入することを伝えましょう。 また、Linux に友好的なハードウェアベンダーをサポートしましょう。 2.5.1. 独占的あるいは閉鎖的なハードウェアを避ける ------------------------------------------------- あるハードウェアメーカーはどのようにドライバを書いたらよいかをまったく 教えてくれません。また、Linux のソースコード公開を 妨げる非公開の同意をしない限り文書を入手させてくれないメーカーもあります。 IBM の最近の ThinkPad にも使われているラップトップコンピュータの DSP サウンドシステムなどがその一例です。 (これらのシステムの中には、 サウンド機能とモデム機能を結合させたものもあります。) また、他の例としてはマッキントッシュの旧シリーズ上の 閉鎖的なハードウェアもあげられます。 これらのデバイスが Linux 上でまったく動作しないのは、 それに関する文書を読むことが許可されていないためです。 このようなハードウェアを作っているメーカーに、 文書を公開するように要請してください。 もしもたくさんの人たちが要請すれば、彼らも Linux が重要な市場であると認識するでしょう。 ------------------------------------------------------------------------------- 3. 始める前に ------------- 3.1. バックアップ ----------------- インストールを始める前に、現在使用しているシステムのすべてのファイルを バックアップしてください。インストールの手続きはハードディスクのすべての データを消す可能性があります。 インストールに用いられるプログラム群は、極めて安定しており、何年も 使用されてきたものです。しかし、誤動作が発生する 可能性は否定できません。 バックアップを取った後でも、質問に対するあなたの答えには十分注意し、 よく考えて行動に移してください。 ほんの数分間程余計に配慮することで、 何時間もの不要な作業を避けることができるかもしれません。 また、マルチブートシステムにする、つまり複数のオペレーティングシステム を共存させる場合には、既にインストールされている オペレーティングシステムの配付メディアが手元にあることを確かめてください。 特にブートドライブのパーティションを切り直す場合は、 オペレーティングシステムのブートローダーや、場合によっては (Macintosh などでは) オペレーティングシステムそのものを、 再インストールしなければならないかもしれません。 3.2. 必要な情報 --------------- この文書に加えて、 cfdisk (cfdisk.txt) のマニュアル、 fdisk (fdisk.txt) のマニュアル、 初心者のための dselect 入門 (dselect-beginner)、 Linux/Alpha FAQ (http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/LinuxAlpha-FAQ.html)、 を用意しておくとよいでしょう。 もし、コンピュータがネットワークに 24 時間フルに接続されているならば (つまり、PPP 接続ではなく Ethernet やそれと同等な接続の場合)、 ネットワーク管理者に以下の情報を尋ねておかなければなりません。 * ホスト名 (これは、自分で決めることができる場合もあります。) * ドメイン名 * ホストの IP アドレス * ネットワークの IP アドレス * ネットワークのネットマスク * ネットワークで使うブロードキャストアドレス * ご自分のネットワークにゲートウェイが_ある_ならば、 デフォルトの経路となるゲートウェイの IP アドレス * ご自分のネットワーク上にある DNS (Domain Name Service) サーバとして使用するホスト * イーサネットを使ってネットワークで接続するかどうか。 コンピュータのネットワークへの唯一の接続が、PPP やそれと同等な ダイアルアップ接続を使うシリアルライン経由の場合、 おそらくネットワーク越しに基本システムをインストールすることはしないでしょう。 システムをインストールするまでは、 ネットワークの設定について悩む必要はありません。 Debian 上で PPP の設定をするための情報については 以下の Section 7.21, `PPP の設定'をご覧ください。 3.3. インストール前にすべきハードウェアとオペレーティングシステムの設定 ----------------------------------------------------------------------- 時々インストールに先立ってシステムを調整しなければならないことがあります。 x86 プラットフォームは、これらに関しては最も悪名高いものです。 他のアーキテクチャ上では、 インストール前にすべきハードウェアの設定はかなり単純です。 この節では、Debian のインストールに先立って必要となる ハードウェアの設定について見ていきます。 一般的に、この作業ではシステムのファームウェアの設定をチェックし、 場合によってはその設定を変更する必要があります。 「ファームウェア」は、ハードウェアが利用する中核的なソフトウェアで、 (電源が投入された後) ブートプロセスの間に起動される重要なものです。 3.3.1. CPU のオーバークロック ----------------------------- 多くの人たちが、例えば 90 MHz CPU を 100 MHz で動作させるようなことに挑戦しています。 これは時にはうまくいきますが、温度や他の要因に敏感で、 実際にシステムに損傷を与えることもあります。 この文書の著者は、自分のシステムを 1 年間オーバークロックで動作させたことがありますが、その際、 カーネルのコンパイル中に予期しないシグナルを受けて `gcc' の実行が中断するようになってしまいました。 この問題は、CPU の速度を普通に戻すことで解決しました。 3.3.2. メモリーの不良 --------------------- `gcc' コンパイラを使ってはじめて、メモリーの不良 (もしくは、予期しないデータの改竄を引き起すような他のハードウェア問題) によって処理が中断する現象に遭遇することがよくあります。 これは `gcc' が膨大なデータ構造を構築し、それを繰り返し 使うからです。これらのデータ構造のエラーは不正な命令や存在しないアドレス へのアクセスを引き起こします。 この徴候として `gcc' が予期しないシグナルで中断するのです。 ------------------------------------------------------------------------------- 4. ハードディスクのパーティション分割 ------------------------------------- 4.1. 背景 --------- ディスクのパーティション分割とは、単にディスクをいくつかの区画に分割する ことです。それぞれの区画は、互いに独立しており、大まかに言えば、 家を壁で仕切るようなものです。 ある部屋に家具を置いても、他の部屋には影響がないのと同じです。 もし、すでに何らかの OS (Windows95、Windows NT、OS/2、MacOS、Solaris、 FreeBSD、...) がインストールされているディスクに Linux を インストールするなら、おそらくディスクのパーティションを切り直す 必要があるでしょう。 一般的に、すでにファイルシステムが形成されているパーティションに変更を 加えることは、そこに保持された情報をいくらか破壊することを意味します。 そのため、パーティションを切り直す前には、 必ずバックアップをとっておくべきです。先ほどの家の例を持ち出せば、 壁を移動したりするときには、ふつうはあらかじめ家具を邪魔にならない ところに移動しておくでしょう。 さもなければ家具を壊してしまいかねません。 GNU/Linux には、それ自身のために最低限一つのパーティションが必要です。 オペレーティングシステム全体、つまりアプリケーションや個人的なファイルを 一つのパーティションに収めることができます。また、常に正しいとは限りませんが、 たいていのユーザはスワップパーティションも必要だと考えます。 「スワップ」とは、オペレーティングシステムが用いるメモリの一時退避用空間 です。これは、システムが安価なディスク記憶装置を「仮想記憶」として用いる ことを可能にするものです。 スワップを独立したパーティションに割り当てることは、その利用をより 効果的なものにします。 (Linux に普通のファイルをスワップとして利用させることも可能ではありますが、 お勧めできません。) しかし、多くの人々は最低限必要な数よりも多くのパーティションを GNU/Linux に割り当てます。 ファイルシステムをいくつかのより小さなパーティションに分割する理由には二つ あります。一つめは安全性です。もし、偶然に何かがファイルシステムを破壊した としても、 一般的にその影響を被るのは一つのパーティションだけです。そのため、システム の一部を (注意深く保持しておいたバックアップと) 取り換えるだけですみます。 最低限、いわゆるルートパーティションを作ることは考慮すべきです。ここには システムの最も基本的な構成部分が収められ、もし他のパーティションに破損が 生じたとしても、システムを補修するために Linux をブートすることができます。 このことは、システムをゼロから再インストールしなければならないような トラブルを防ぎます。 二つめの理由は、コンピュータの利用方法にかなり依存する問題ではありますが、 一般的に商利用の際により重要になってくるものです。 何かが管理の外でディスクスペースを消費し始めたと仮定します。もしその プロセスがルート特権を得るようなことが起きれば (システムは一般ユーザが 使用できないディスク領域をある程度確保しています)、 ディスクスペースがなくなっていることに突然気づかされるでしょう。 OS は、さまざま作業のために (スワップスペースのほかに) 実ファイルを利用する必要があるので、このことは不具合を引き起こします。 さらに、このことは、ローカルシステムに由来する問題でないこともありえます。 例えば、電子メールとしてスパムメールを取り込むことは、パーティションを容易 に溢れさせえます。より多くのパーティションを用いることは、このような問題の 多くからシステムを保護するのです。 もう一度電子メールの例を取り上げるならば、`/var/spool/mail' に独自のパーティションを割り当てれば、スパムメールを取り込んでも、 システムの大半はその動作に支障はないでしょう。 より多くのパーティションを利用する際に、唯一実際に障害となるのは、 あらかじめどのようなパーティションが必要となるかを予測することが、 多くの場合難しいことです。 もしあまりに小さなパーティションを用意したなら、 システムを再インストールしたり、 容量の足りないパーティションにスペースを空けるために、 しょっちゅうファイルを移動したりしなければならないでしょう。 一方、あまりに大きなパーティションを用意すれば、 他で利用できるスペースを浪費しかねません。 近頃はディスクも安価になったとはいえ、お金を無駄に使う必要はないでしょう? 4.1.1. ディレクトリツリー ------------------------- 以下の一覧は、重要なディレクトリについて説明したものです。 こちらは、どのようにパーティションを分割するかについての参考となるでしょう。 こちらの内容が難しいと感じられた方は、 とりあえずこの部分は飛ばして、 インストールマニュアルの残りの部分を読んでから、 読みなおしてもよいでしょう。 * `/': ルートパーティションはディレクトリ階層のスタート位置です。 こちらにはコンピュータがブートするために必要となる 重要なプログラムが収められます。 こちらにはカーネルや、システムライブラリ、 `/etc' 以下の設定ファイルのほか さまざまな重要度の高いファイルが含まれます。 一般的にこちらには 30-50 MB 必要になりますが、 必要な容量は場合によって変化します。 注意: `/etc' 用に別のパーティションを用意し_ない_でください。 ブートできなくなってしまいます。 * `/dev': このディレクトリには、さまざまなハードウェアコンポーネントへの インターフェイスとなるデバイスファイルが収められます。 より詳しい情報については Section 4.3, `Linux におけるデバイス名' をご覧ください。 * `/usr': 全ユーザプログラム (`/usr/bin')、ライブラリ (`/usr/lib')、文書 (`/usr/share/doc') などはこのディレクトリに収められます。 ファイルシステムのこの部分は最も容量を必要とするところです。 少なくとも 300-500 MB のディスク容量を割り当てるべきでしょう。 もっとたくさんのパッケージなどをインストールする場合は、 このディレクトリにより多くのディスク容量を割り当てなければなりません。 * `/home': 各ユーザは、個人的なデータをこのディレクトリのサブディレクトリに収めます。 その容量は、このシステムを利用するユーザの数や、 ユーザディレクトリにどのようなファイルが収められるかによって異なってきます。 システムの利用計画にもよりますが、ユーザがその利用計画に従うとして、 各ユーザごとに約 100 MB ほど割り当てなければならないでしょう。 * `/var': ニュース記事、電子メール、ウェブコンテンツ、APT のキャッシュなどさまざまな可変データすべてがこのディレクトリに収められます。 このディレクトリの容量はコンピュータの利用方法に大きく左右されますが、 たいていの場合パッケージマネジメントツールのオーバーヘッドも 考慮しなければなりません。 Debian が提供するすべてのものを一度にフルインストールする場合でも、 `/var' に 2 〜 3 GB ほどの容量を割り当てておけば十分なはずです。 一度に全てをインストールせず、部分部分を徐々にインストールする (例えば、サービスやユーティリティを、まずはコンソール用のもの、 次に X 用のものというように徐々にインストールする) ならば、 `/var' に 200 〜 500 MB の空き容量があればよいでしょう。 ハードドライブの空き容量が貴重なもので、 少なくともメジャーアップデートには APT を使う予定がないならば、 `/var' に割り当てる容量が 30 〜 40 MB 程度に少なくてもかまいません。 * `/tmp': プログラムが一時データを作成する場合、 普通こちらのディレクトリを利用します。 通常は 20-50 MB あれば十分でしょう。 * `/proc': こちらは、ハードディクス上には存在しない 仮想ファイルシステムです。 そのためハードディスク上の容量を必要としません。 こちらは、動作中のシステムに関する興味深く重要な情報を提供します。 4.2. システムの利用計画 ----------------------- どのような種類のマシンを構築するのか決めることは重要です。 このことから、必要なディスク容量は決定されるでしょうし、 パーティション分割の方針も影響を受けるでしょう This has changed for Potato -- we need to update it. Debian では、利用者の便宜に合わせて共通タスクアプリケーション What does this need to be called? がいくつか用意されています。(Section 7.19, `プロフィールの選択とインストール' をご覧ください。) 共通タスクアプリケーションとは、 パッケージの選択がより簡単になるように用意された、 パッケージ選択の単なるセットです。 これはいくつかのパッケージに、 インストールされるよう自動的にマークを付けてくれます。 用意された共通タスクアプリケーションは、それぞれインストール完了時の システムサイズが異なります。 これらの共通タスクアプリケーションをお使いにならないとしても、 システム設計にこちらの論議は重要です。 なぜならこれは、パーティションのサイズや、 必要になるパーティションの数を決定する際のヒントを与えてくれるからです。 以下は、ご利用いただける共通タスクアプリケーションのいくつかと そのサイズをまとめたものです。 The various applications and sizes should probably go here. Server_std 標準的なサーバ 小規模なサーバ向けのプロフィールです。 シェルユーザ用のソフトウェアを持たない スリムなサーバに有用です。 こちらは基本的に FTP サーバ、ウェブサーバ、DNS、NIS、POP を装備しています。 必要となるディスク容量は約 50MB です。 もちろん、このサイズはインストールされるソフトウェアのものだけで、 ご利用になるデータのためにさらにディスクが必要です。 Dialup ダイアルアップマシン X Window System、グラフィックやサウンドに関するアプリケーション、 エディタなどを装備した標準的なディスクトップマシン向けのプロフィールです。 こちらのパッケージのサイズは約 500MB です。 Work_std 標準的なワークステーション X Window System や、X のアプリケーションを装備しない ユーザマシン向けの最もスリムなプロフィールです。 おそらくラップトップやモバイルコンピュータに適切でしょう。 こちらのサイズは約 140MB です。 (なおこの文書の著者は、X11 も含めてこれよりも少ない約 100MB で済む、シンプルで優れたラップトップ向けの設定も知っています。) Devel_comp 開発環境 Perl や、C、C++ などのすべての開発パッケージを備えた デスクトップマシン用の設定です。そのサイズは約 475MB です。 ただ、X11 や 他の用途に用いる付加的なパッケージをいくつか追加するならば、 この種のマシンでは約 800MB 近いディスクが必要になることを 見越しておくべきでしょう。 心に留めておいていただきたいのですが、こちらのサイズには、 通常よく使われるユーザファイルや電子メイル、データなどの他のファイルが、 まったく含まれていません。 ご自身のファイルやデータのスペースは、大きめに見積もることが常に肝要です。 特に、 Debian の `/var' パーティションには、 たくさんのシステム情報が収められます。 `dpkg' ファイル (インストール済みパッケージの情報など) はゆうに 20MB は消費します。 またログファイルやその他のファイルのために、 通常少なくとも `/var' パーティションに 50MB は空けておいてください。 4.3. Linux におけるデバイス名 ----------------------------- Linux におけるディスクおよびパーティションの命名法は、他のオペレーティング システムとは異なっています。パーティションを作成したりマウントする際には、 Linux がどのようなディスク名を用いるのか知っておく必要があります。 以下は基本的な命名法の仕組みです。 * 第 1 フロッピードライブは ``/dev/fd0'' と名付けられる。 * 第 2 フロッピードライブは ``/dev/fd1'' と名付けられる。 * 第 1 SCSI ディスク (SCSI ID address-wise) は ``/dev/sda'' と名付けられる。 * 第 2 SCSI ディスク (address-wise) は ``/dev/sdb'' と名付けられ、以下も同様。 * 第 1 SCSI CD-ROM は ``/dev/scd0'' および ``/dev/sr0'' と名付けられる。 * IDE プライマリーコントローラのマスターディスクは ``/dev/hda'' と名付けられる。 * IDE プライマリーコントローラのスレーブディスクは ``/dev/hdb'' と名付けられる。 * IDE セカンダリーコントローラのマスターディスクおよびスレーブディスクは、 それぞれ ``/dev/hdc''、``/dev/hdd''と名付けられる。最近の IDE コントローラ は二つのチャンネルを持ち、事実上二つのコントローラがあるように動作する。 各ディスクのパーティションは、ディスク名に十進数を付け加えることで 表します。例えば、``sda1'' と ``sda2'' はそれぞれ、システムにある 第 1 SCSI ディスクドライブの第 1、 第 2 パーティションを表します。 実際にありそうな例をあげてみましょう。 二つの SCSI ディスクを持つシステムで、一方の SCSI アドレスが 2、もう一方の SCSI アドレスが 4 だとします。 最初のディスク (アドレス 2) は ``sda''、 二つ目のディスクは ``sdb'' と名付けられます。 もし ``sda'' ドライブに 3 つのパーティションがあるなら、 それらは ``sda1''、``sda2''、``sda3'' と名付けられます。 ``sdb'' ディスクとそのパーティションにも同じことが当てはまります。 もし二つの SCSI ホストバスアダプタ (コントローラ) がある場合、 ドライブの順序が混乱するかもしれないことに注意してください。 ドライブのモデルを知っていると仮定するなら、 このケースでの最もよい解決策はブートメッセージを見ることです。 4.4. パーティション分割の推奨案 ------------------------------- すでに述べたとおり、独立した小さなルートパーティションは必ず作るべきです。 また、スペースがあるならば大きな `/usr' パーティションを作るべきです。 例をあげるなら、大抵のユーザは最初のうちはパーティションを二つ用意すれば 十分でしょう。パーティションをたくさん用意することはディスクスペースを 浪費するので、小さなディスクを一つしか持っていない場合には、 特にこうするのが適切です。 もし、Debian のディストリビューションに含まれていないプログラムをたくさんイン ストールしようと考えているならば、`/usr/local' パーティションを 必要とする場合もあるでしょう。 また、メイルサーバとして利用するならば、 `/var/spool/mail' に 別のパーティションを必要とするかもしれません。 `/tmp' に 20 から 32MB ほど、独自のパーティションを割り当てるこ とは、多くの場合よい考えです。 たくさんのユーザアカウントをかかえるサーバを設置するなら、独立した大き な `/home' パーティションを用意することも概してよいことです。 このように、パーティション割り振りの条件は、一般的に利用法の違いからコン ピュータによってさまざまです。 とても複雑なシステムのためには、 マルチディスク HOWTO (http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Multi-Disk-HOWTO.html) をご覧になるとよいでしょう。 こちらには、ISP の管理者やサーバを設置する方の関心事の多くが、 詳細な情報として含まれています。 スワップスペースの問題に関しては、さまざまな見方があります。大雑把ながらも よいやりかたは、搭載しているシステムメモリーと同じ容量のスワップを用意する ことです。ただ、64MB 以上のスワップは大抵のユーザにとってはおそらく意味が ないでしょう。またたいていの場合、スワップを 16MB より小さくするのも避ける べきでしょう。 もちろん、これらのルールにも例外はあります。例えば 256MB ほどの RAM を積んだマシンで、10,000 もの方程式を同時に解こうとするならば、1GB (もしくはそれ以上) ものスワップを必要とするでしょう。 32-bit のアーキテクチャ (i386 や、m68k、32-bit SPARC、PowerPC) におけるスワップパーティションの最大サイズは 2GB です。 (Alpha と SPARC64 では実質的に無限と言えるほど大きなサイズを使えます。) これはほとんどの場合において充分な大きさであるはずです。 しかし、もしこれ以上の大きさのスワップ領域が必要なら、 異なるディスクにスワップ領域を分散したり (この手法は「スピンドル」とも呼ばれています)、 また、可能ならば SCSI あるいは IDE の異なる チャンネルにスワップ領域を分散するよう試みるべきでしょう。 このようにすると、カーネルは複数のスワップ領域をバランス良く使おうと するので性能が向上します。 4.5. パーティション分割の一例 ----------------------------- 一例として、32MB の RAM と `/dev/hda' に 1.7GB IDE ハードディスクを搭載した著者の一人のホームマシンの例をあげましょう。 `/dev/hda1' には 500MB の DOS パーティションがあります。 (それほど使うわけではないので 200MB 程度にするべきでした。) `/dev/hda3' を 32MB のスワップパーティションとして使用し、 のこり (約 1.2GB の `/dev/hda2') を、 Linux パーティションにしています。 4.6. インストール前のパーティション分割 --------------------------------------- パーティションの分割は、Debian をインストールする前と、インストールの最中 の二度にわたって行うことができます。 お手持ちのコンピュータを Debian 専用機にする場合には、 インストール作業 (Section 7.5, ```ハードディスクのパーティションを切る''') の間にパーティションを作成すべきでしょう。 一方、複数のオペレーティングシステムを持つマシンをお持ちの場合は、 一般的には各オペレーティングシステムで、 それ専用のパーティションを作成すべきです。 以下の節では、インストールに先だって行うネーティブ オペレーティングシステム上でのパーティション分割に関する情報を扱います。 なお、他のオペレーティングシステムが参照するパーティション名と Linux が付けるパーティション名がどのように対応するのは確認しておくべきでしょう。 Section 4.3, `Linux におけるデバイス名' をご覧ください。 4.6.1. Tru64 UNIX 上からパーティションを分割する ------------------------------------------------ 以前は Digital UNIX、そしてその前は OSF/1 として知られていた Tru64 UNIX は、 BSD の「ディスクラベル」と同様な方法でパーティションを構成します。これは ひとつのディスクドライブに対して八個までのパーティションを持つことが 可能です。各パーティションは Linux 上では `1' から `8' までの番号で識別され、 UNIX 上では `a' から `h' までの「文字」で識別されます。 バージョン 2.2 以降の Linux カーネルではパーティション `1' は常に パーティション `a' に対応し、`2' が `b' に、以下同様にそれぞれ 対応しています。例えば Tru64 UNIX 上の `rz0e' は ほとんどの場合 Linux 上の `sda5' に対応しています。 ディスクラベル中のパーティションは互いに重なっている場合が あります。さらにいえば、パーティション `c' はディスク全体を表現する と決められています。 (これはつまりすべての中身のあるパーティションと 重なっているということです。) Linux 上では、これは `sda3' が `sda' と等しい (また、もし二台目の SCSI ディスクが ある場合には `sdb3' が `sdb' と等しく、以降も 同様である) ということを意味します。 ただし、この条件を満たすための場合を除けば、互いに重なるパーティション を作成することにはメリットはありません。 もうひとつの伝統的な決まりは、パーティション `a' が、ディスクの最初から始まり、 したがって常にディスクラベルと起動ブロックを含むということです。 ディスクのパーティション分割はアプリケーションマネージャから起動する グラフィック操作によるディスク構成ツール、またはコマンドラインから `disklabel' ユーティリティを起動することによって実行できます。 Linux ファイルシステム用のパーティションタイプは `resrvd8' に設定します。 これは `disklabel' 経由でのみ実行可能ですが、これ以外の すべての操作はグラフィック操作によるツールで簡単に実行できます。 スワップパーティションを UNIX と Linux で共有することは可能であり、 もちろん意味のあることです。この場合、UNIX がスワップ領域のしるし を壊してしまうので、UNIX から Linux に切り替えてリブートするたびに そのパーティションについて `mkswap' を実行する必要が あります。このため、`swapon -a' でスワップ領域の使用を 開始する前に、Linux のスタートアップスクリプトを使って `mkswap' を実行しておくと良いでしょう。 UNIX のパーティションを Linux からマウントする場合は、Digital UNIX が 二種類の異なるファイルシステム、UFS と AdvFS を利用できることに 注意してください。Linux は前者しか認識できません。 4.6.2. Windows NT 上からパーティションを分割する ------------------------------------------------ Windows NT は PC スタイルのパーティションテーブルを使用します。 既存の FAT または NTFS のパーティションを操作する場合には、 Windows NT のネイティブなツールを使うことをお勧めします。 (あるいは、もっと便利な方法として、AlphaBIOS 設定メニューを 使ってディスクのパーティションを再構成することもできます。) これ以外の場合には、Windows からパーティションを分割する必要は 実際のところありません。Linux のパーティション分割ツールを 使ったほうが、一般的にはより役に立ちます。注意しなければいけない ことに、NT を起動した際、ディスクアドミニストレータが Windows 以外の ディスクを見つけると、それに対して「無害なしるし」を書くことを 提案してきますが、_絶対_にそんなことをさせてはいけません。 この「しるし」はパーティション情報を破壊してしまいます。 Linux を ARC/AlphaBIOS/ARCSBIOS コンソールから起動するつもりなら、 MILO を入れておくための (小さな) FAT パーティションが必要になります。 このパーティションは 1MB もあれば充分です。Windows NT が インストールされている場合は、その 6MB の起動パーティションを この目的のために使うことが可能です。 ------------------------------------------------------------------------------- 5. Debian のインストール方法 ---------------------------- Debian のインストールは、ローカル (CD、ハードディスク、フロッピー) およびリモート (FTP、NFS、PPP、HTTP) のさまざまなソースから可能です。 また Debian はさまざまなハードウェア設定をサポートしていますので、 場合によってはインストールの際 さらにいくつかの別のソースも合わせて利用できます。 この章ではインストール方法に関する選択肢と推奨案を提示します。 インストールの異なる作業段階ごとに 異なるインストールソースを選択できます。 例えば、フロッピーからブートを行なってインストールを始めたとしても、 以後のインストール作業段階では必要なファイルをハードディスクから インストールしてもかまいません。 インストールを進めることによって、 RAM 上ですべてが動く、痩せこけた機能の少ないシステムから、 ハードディスクにインストールされ完全な機能を持つ Debian GNU/Linux システムへと移行していきます。 インストール作業の最初の段階における重要な目標の一つは、 システムがサポートするハードウェア (例えば、インターフェイスカード) やソフトウェア (例えば、ネットワークプロトコルやファイルシステムドライバ) の中から、より多くのものを利用できるようにすることにあります。 そのため、以後のインストール作業に置いては、 それ以前よりも多くのインストールソースが利用できるようになります。 たいていの方々にとって、最も簡単なインストール方法は、 Debian CD セットを利用することでしょう。 そのような Debian CD セットをお持ちで、 お使いのマシンが CD からの直接ブートサポートしていれば最高です! 単純に、 CD を挿入し、リブートし、次の章に進んでください。 もしお使いのハードウェアでは通常のインストール方法がうまく行かない場合、 もう一度この章に戻って、代わりに利用できる他のカーネルや、 他のインストールメソッドについて調べてください。 特に、CD セットによっては各 CD ごとに異なるカーネルを利用できるようになっているものもありますので、 他の CD からブートを行なうとうまくいく場合もあるでしょう。 5.1. インストール作業の概観 --------------------------- こちらの概観では、インストールソースを選択しなければならないところや、 後のソースの選択に影響を与えるような決定を行なうところを、 強調してあります。 1. インストーラをブートし作業を始めます。 2. 早速 (オペレーティングシステムの中核部分である) カーネル用のソースを指定する必要があります。 3. 初期システム設定に関する一連の質問に答えます。 4. ドライバ用のソースを指定します。 5. ロードするドライバを選択します。 6. 基本システム用のソースを指定します。 7. システムをリブートし、最終的な設定を行ないます。 8. オプションではありますが、通常ほとんどの場合、 一つあるいは複数のソースを指定した上で、 さらに他のソフトウェアをインストールします。 いくつかの選択を行なう際に、 それらの間に二三の依存関係があることは心に留めておいてください。 初期システムブートを行なうカーネルは選択できますが、 完全に設定が済んだあともそれと同じカーネルを利用します。 ドライバは各カーネルに固有のものとなりますので、 ご自分が選んだカーネルに適合するドライバを収録したパッケージを 選択しなければなりません。 適切なカーネルの選択に関する詳細については後述します。 サポートされるネットワークは各カーネルによって異なってきますので、 選択したカーネルによって、特に初期のインストール作業における インストールソースの選択肢は影響を受けます。 最後に、特別なドライバを選択しロードすることによって、 追加的なハードウェア (例えばネットワークインターフェイスカードや ハードドライブコントローラ) や、 ファイルシステム (例えば NTFS や NFS) プロトコル (例えば PPP) が利用できるようになりますが、 これによって、まだインストールしていない残りの部分をインストールする際に、 他の追加的なインストールソースも利用できるようになります。 とはいえ、このことは、それがすぐに実現できるというよりは、 それが実現できる見込みができるといったほうが正確でしょう。 例えば、PPP ドライバの場合、それロードしただけでは 基本システムを電話回線越しに入手できません。 そのためには、まず最初にダイアルアップの設定を行ない、 (ご自身でその設定を反映させない限り) リブートをしなければならないのです。 一方、NTFS ドライバの場合は、それをロードすれば直ちに NTFS ファイルシステムにアクセスできるようになります。 (実際にはファイルシステムを手動でマウントしなければならないので、 初心者にとってはこれだけの情報では十分には役立たないかもしれません。 もちろん、この文書でそのような手続きについて記述することはできるのですが…) 5.2. 適切なカーネルを選択する ----------------------------- カーネルの選択は お使いになっているハードウェアによって異なってきます。 適切なサブアーキテクチャ用のディレクトリを選択し、 そこにある文書を読んでから作業を始めてください。 Elaborate on this section. Include material on how kernel choice works with CDs. 5.3. 各インストール作業段階におけるインストールソース ----------------------------------------------------- この節では、各インストール作業段階に_利用できるであろう_、 また普通は_利用できる_ハードウェアを紹介します。 ただ、こちらで紹介するハードウェアすべてが あらゆるカーネルで利用できるわけではありません。 例えば、一般的に RAID ディスクには 適切なドライバをインストールするまでアクセスできません。 5.3.1. インストーラの最初のブート --------------------------------- インストーラの最初のブートは、おそらく最も大変な作業です。 その詳細は次章で説明しますが、 一般的には以下のメディアからブートを行ないます。 * Rescue Floppy (ブートローダに `MILO' を利用してインストールを行なう場合、 ブート用に複数のディスクが必要になるでしょう。 -- より詳細な情報については 章 6, `インストーラのブート' をご覧ください。) * ブート可能な CD-ROM * ネットワーク越しに TFTP を利用する 5.3.2. インストールソースと各インストール作業段階 ------------------------------------------------- Needs expert review. 以下の表は、 インストールの各作業段階で利用できるソースを示したものです。 縦の各列は異なるインストール段階を示し、 左から右にかけて作業を行なう順番で並べてあります。 最も右側にある列は、インストールに用いるチャンネルを示しています。 空欄はそのチャンネルがインストールに利用できないことを、 Y はインストールに利用できることを、 S は場合によってはインストールに利用できることを示しています。 ブート | カーネルイメージ | ドライバ | 基本システム | パッケージ | チャンネル -------+------------------+----------+--------------+------------+------------ S | | | | | tftp S | Y | Y | Y | UGH | フロッピー S | Y | Y | Y | Y | CD-ROM S | Y | Y | Y | Y | ハードディスク | Y | Y | Y | Y | NFS | | S | S | Y | LAN | | | | Y | PPP 例えば、この表から PPP はパッケージをインストールするためだけに 利用できることが分かります。 なお、インストールメソッドによっては、 ソースを選択できるのは カーネルイメージとドライバのものだけです、 また、CD-ROM からブートする場合、 各ソースは自動的に CD にセットされます。 重要なことは、_フロッピーからブートしたらすぐに、 より便利なインストールソースに切り替えることができる_ということです。 ただし、利用できるソースは、初めのブートに用いるカーネルで サポートされているもので_なければなりません_。 また、前節に戻って、先の表の「ブート」欄にある S が何を意味しているか、 お使いになるアーキテクチャがそのブート方法をサポートしているかどうか を調べてください。 `LAN' および `PPP' の行は、イーサネットや電話回線を利用した インターネットベースのファイル転送 (FTP や HTTP など) に関するものです。 通常こちらは利用できませんが、 特定のカーネルを利用すれば早い段階でこちらも利用できます。 この文書が扱う範囲を越えてしまいますが、 熟練者なら、これらのコネクションを利用してディスクをマウントしたり、 作業を早く済ませるために他の操作を行なうこともできます。 5.3.3. 推奨案 ------------- Debian GNU/Linux CD のセットを入手してください。 可能ならそれからブートしてください。 ここから先を読まれる方は、 おそらく CD からブートできなかった方か、 ブートできないであろう方でしょう。 問題が単にお使いの CD ドライブがブートをサポートしていないことにあるならば、 最初のブートに必要なファイルを CD から取り出し、 それを利用してブートフロッピーを作ったり、 他のオペレーティングシステムからブートを行なってください。 それに失敗した場合でも、 いくらかディスクに空き容量の残った 既存のオペレーティングシステムはあるでしょう。 最初に用いるインストーラは、 さまざまなファイルシステムを読み込むことができます。 (主な例外に NTFS があります。 その場合は適切なドライバをロードする必要があります。) お手持ちのディスクを利用できるならば、 文書、初期ブートイメージ、ユーティリティをダウンロードしてください。 さらに、単一のファイルとしてドライバアーカイブと基本システムを それぞれ入手してください。 そして、最初のブートを行ないます。 インストーラに利用するソースを尋ねられたら ダウンロードしたファイルをインストーラに指示します。 これらは推奨案にしかすぎません。 最も都合のよいソースを選択してください。 フロッピーは都合のよいものでも信頼性の高いものでもありませんので、 可能な限りそれを利用することは避けることをお勧めします。 しかしながら、 既存のオペレーティングシステムからのブートと比べると、 フロッピーを使った場合、よりきれいな環境を構築でき、パス指定も簡単なので、 フロッピーからのブートがサポートされているならば、 最初のブートはこちらから行なってもよいでしょう。 5.4. システムファイルインストールの解説 --------------------------------------- この節では、`disks-alpha' ディレクトリにあるファイルの 一覧を簡単な説明を付して紹介します。 これらすべてをダウンロードする必要はないでしょう。このことはブートおよび 基本システムのメディアに、何をお選びになるかによってまったく異なってきます。 ほとんどのファイルはフロッピーディスクのイメージです。これらは必要な フロッピーディスクを作成するためにディスクに書き込まれる、 単一のファイルとなっています。 これらのイメージは、明らかに書き込み先の フロッピーの容量によって異なってきます。 例えば、標準的な 3.5 インチフロッピーに適合する 通常のデータ容量は 1.44MB です。 お使いのアーキテクチャでサポートされている フロッピーの容量は、この 1.44MB のみです。 1.44MB フロッピードライブ用のイメージは `images-1.44' ディレクトリにあります。 もしこの文書をネットワークに接続されたコンピュータ上のウェブブラウザで ご覧になっているなら、ブラウザ上でファイル名を選択することで各ファイルを 取り寄せることができるでしょう。 お使いになっているブラウザにもよりますが、 バイナリモードでそのまま直接ファイルにダウンロードするためには、 特別な操作が必要かもしれません。 例えばネットスケープナビゲータでファイルを取り寄せるためには、 シフトキーを押したままそのリンクをクリックする必要があります。 この文書に記載されている URL から各ファイルをダウンロード することができますが、それらを http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-alpha/current/ や、 Debian ミラーサイト (http://www.debian.org/distrib/ftplist) の対応するディレクトリから取り寄せることも可能です。 5.4.1. 文書 ----------- _インストールマニュアル:_ install.ja.txt install.ja.html install.ja.pdf 今お読みなっている、プレーン ASCII や HTML、PDF 形式のこのファイル _パーティション作成プログラムのマニュアルページ:_ fdisk.txt cfdisk.txt ご利用になれるパーティション分割ソフトウェアの使用説明書 http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/base-contents.txt 基本システムの内容一覧 http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/md5sum.txt こちらは、各バイナリファイルの MD5 チェックサムの一覧です。 `md5sum' プログラムをお持ちであれば、 `md5sum -v -c md5sum.txt' を実行することで、 お手持ちのファイルが改竄されていないか確認することができます。 5.4.2. 初期ブートに必要なファイル --------------------------------- _Rescue Floppy イメージ:_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/rescue.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/jensen/images-1.44/rescue.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/nautilus/images-1.44/rescue.bin これらは Rescue Floppy のディスクイメージです。Rescue Floppy は、 初期設定、もしくは将来何かの理由でシステムが起動できなくなった緊急時に 使われます。そのため、インストールにフロッピーディスクを使用しない場合も、 このディスクイメージをフロッピーディスクに用意しておくことをお勧めします。 Section 2.1.2, `CPU や、マザーボード、ビデオカード のサポート' で指定された ご自分の機種をサポートするフロッピーイメージを選択してださい。 _ルートイメージ (一つまたは複数):_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/root.bin このファイルには、Rescue Floppy からブートする際に メモリー上にロードされるテンポラリーファイルシステムのイメージが 収録されています。 ハードディスクや CD-ROM、 フロッピーなどからインストールする際に利用してください。 _Linux カーネル:_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/linux http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/jensen/linux http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/nautilus/linux こちらは、ハードディスクや CD からのインストールに用いる Linux カーネルのイメージです。 フロッピーからのインストールを行なう場合、 こちらは必要ありません。 _TFTP ブートイメージ_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/tftpboot.img こちらは、ネットワークブートに用いるブートイメージです。 Section 6.5, `TFTP からのブート' をご覧ください。 通常こちらには、Linux カーネルと `root.bin' ルートファイルシステムが収録されています。 5.4.3. ドライバファイル ----------------------- これらのファイルは、カーネルモジュールやドライバのうち、 最初のブートには必要のないハードウェアのものを収録しています。 利用したいドライバを入手するには、次の二つの作業を行ないます。 まず初めに利用なさりたいドライバアーカイブを見つけます。 そして、それから特定のドライバを選択します。 なお、お使いになるドライバアーカイブは、 最初に選ぶカーネルと適合したものでなければなりません。 _Driver Floppies イメージ:_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/driver-1.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/driver-2.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/jensen/images-1.44/driver-1.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/nautilus/images-1.44/driver-1.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/nautilus/images-1.44/driver-2.bin これらは Driver Floppies ディスクイメージです。 _Driver Floppies アーカイブ_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/drivers.tgz http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/jensen/drivers.tgz http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/nautilus/drivers.tgz 余分にフロッピーをお持ちであれば、 これらのファイルのいずれかを選択してください。 5.4.4. 基本システムファイル --------------------------- 「Debian 基本システム」は、最低限の Debian をスタンドアローンで 動作させるために必要となるパッケージのコアセットです。 一度基本システムをインストールし設定すれば、 お使いのマシンは「それ自身で動作できる」ようになります。 _基本システムのイメージ:_ http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/base2_2.tgz あるいは http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-1.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-2.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-3.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-4.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-5.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-6.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-7.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-8.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-9.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-10.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-11.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-12.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-13.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-14.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-15.bin http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-alpha/current/images-1.44/base-16.bin これらのファイルには、インストール作業の間にご自分の Linux パーティションにインストールされる基本システムが収録されています。 こちらは、残りのパッケージをインストールするために 最低限必要となるものです。 なお、`http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-alpha/current/base2_2.tgz' ファイルは、 CD-ROM や、ハードディスク、NFS といった フロッピー以外のソースからインストールする際に用いるものです。 5.4.5. ユーティリティ --------------------- http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main /disks-i386/current/dosutils/rawrite2.exe フロッピーディスクイメージを、フロッピーに書き込むための DOS ユーティリティです。イメージをフロッピーにコピーするのではなく、 このユーティリティを使って「直接書き込んで」ください。 それでは、個々のインストールソースに固有の情報を見ていきましょう。 ここでは、分かりやすいように、 先ほどインストールソースの説明に用いた表の列の順番どおりに説明します。 5.5. TFTP --------- ネットワークからブートするためには、 ブートフロッピーによってサポートされるネットワークコネクションの他、 TFTP サーバ、BOOTP サーバのいずれかが必要です。 このインストール方法については Section 6.5, `TFTP からのブート' で説明します。 5.6. フロッピーディスク ----------------------- 5.6.1. フロッピーディスクの信頼性 --------------------------------- 初めて Debian をインストールする方々が抱える一番の問題は、 フロッピーディスクの信頼性のようです。 Rescue Floppy は Linux がブートする前にハードウェアによって直接読まれる ことから、最悪の問題点を抱えています。 ハードウェアは Linux のフロッピーディスクドライバほど信頼性のある読み込み をしないことが多く、誤ったデータを読み込んだときには、エラーメッセージも 表示せずに止まってしまうこともあります。 Driver Floppies や基本システムフロッピーにも、これと同様に失敗する 可能性はあります。ただし、これらのほとんどはディスク I/O エラーに関する たくさんのメッセージを出して、読み込みが失敗したことを教えてくれます。 ある特定のフロッピーでインストールが失敗するならば、まず最初に フロッピーディスクのイメーをダウンロードし直して、 _別の_フロッピーに書き込んでみてください。 フロッピーの再フォーマットや書き込みの際にエラーがでなかったとしても、 古いフロッピーを単に再フォーマットするだけでは不十分でしょう。 場合によっては、異なるシステム上でフロッピーへの書き込みを行う方が よいかもしれません。 一つのフロッピーがうまく動作するまでに _3_ 回もイメージを書き直し、 3 枚目のフロッピーでようやくうまく動作したというユーザの報告もあります。 また、別のユーザは、同じフロッピーを同じフロッピードライブで用いても、 単に数回リブートすればブートに成功したとも報告しています。 これらはすべて、バグのはびこったハードウェアもしくはフロッピードライバの ファームウェアによるものです。 5.6.2. フロッピーからのブート ----------------------------- フロッピーからのブートはほとんどのプラットフォームでサポートされています。 Review and integrate the 2 discussions for m68k. フロッピーからブートするには、単純に Rescue Floppy のイメージと Driver Floppies のイメージをダウンロードしてください。 必要があれば Rescue Floppy を修正することもできます。 Section 9.3, `Rescue Floppy のカーネルの交換' をご覧ください。 Rescue Floppy にはルートファイルシステムが収まりきれません。 そのためルートイメージを書き込むディスクも必要になるでしょう。 他のイメージと同様にフロッピーを作成します。 一旦 Rescue Floppy からカーネルをロードすると、 ルートディスクが求められます。 そのフロッピーを挿入し作業を続けてください。 Alpha 上で、`MILO' を利用して ARC コンソールファームウェアからブートする場合は、 MILO と LINLOAD.EXE を入手して、 それを DOS FAT フォーマットのフロッピーディスクに書き込む必要もあります。 Alpha ファームウェアやブートローダに関するより詳細な情報については、 Section 6.6, `Alpha コンソールファームウェア' をご覧ください。 なお、MILO バイナリはプラットフォーム依存です。 ご自分の Alpha マシンに適切な MILO イメージを選ぶためには、 Section 2.1.2, `CPU や、マザーボード、ビデオカード のサポート' をご覧ください。 5.6.3. フロッピーから基本システムをインストールする --------------------------------------------------- 注意: フロッピーが一般的に最も信頼性の低い種類のメディアであることから、 こちらは Debian をインストールする方法としては推奨できません。 こちらの方法が推奨されるのは、お使いになるシステムのハードディスクのいずれ にも、余分な既存のファイルシステムがない場合だけです。 以下の手順にしたがってください。 1. 以下のディスクイメージを入手します。(これらのファイルの詳細は Section 5.4, `システムファイルインストールの解説' にあります。) * Rescue Floppy イメージ * ARC コンソールからブートする場合には、 MILO および LINLOAD.EXE のイメージと、 DOS FAT ファーマットのフロッピーディスクが必要になります。 LINLOAD.EXE はプラットフォーム独立ですが、 MILO はお使いの Alpha マシンのモデルに適切なものを選んでください。 さまざまな Alpha プラットフォームに関するより詳細な情報については Section 2.1.2, `CPU や、マザーボード、ビデオカード のサポート' をご覧ください。 * Driver Floppies イメージ * 基本システムのディスクイメージ (base-1.bin、 base-2.bin など) * ルートファイルシステムのイメージ 2. 必要とするすべてのイメージを書き込むために、十分なフロッピーディスクを 用意します。 3. Section 5.6.4, `ディスクイメージからフロッピーを作成する' の説明どおりにフロッピーディスクを作成します。 4. Rescue Floppy をフロッピードライブに挿入して、 コンピュータをリブートしてください。 5. 以下の節はとばして、章 6, `インストーラのブート' をご覧ください。 5.6.4. ディスクイメージからフロッピーを作成する ----------------------------------------------- ディスクイメージは、フロッピーディスクの完全な内容を_そのまま_の 形式で含んだファイルです。 `rescue.bin' のようなディスクイメージは、フロッピーディスクに 単純にコピーすることはできません。 イメージファイルをフロッピーディスクに_そのまま_の形式で 書き込むために、特別なプログラムを用います。 このようなことが必要になるのは、これらのイメージがディスクの内容をそのまま 記録してあるためです。つまり、ファイルからフロッピーへデータの _セクタコピー_が必要になるのです。 お使いのプラットフォームによって、ディスクイメージからフロッピーを作成する 方法は異なってきます。 この節では、異なるプラットフォームでどのようにディスクイメージから フロッピーを作成するかを説明します。 フロッピーをどの方法で作成したとしても、不注意でそれらを壊さないために、 一旦イメージを書き込んだら、忘れずにフロッピーの爪を動かして 書き込み禁止にしてください。 5.6.4.1. Linux や Unix システムからディスクイメージを書き込む ------------------------------------------------------------- フロッピーディスクイメージをフロッピーディスクに書き込むためには、おそらく システムのルート特権が必要になるでしょう。 適切な空のフロッピーディスクをフロッピードライブに挿入したら、 次に以下のコマンドを使ってください。 dd if=<ファイル名> of=/dev/fd0 bs=1024 conv=sync ; sync <ファイル名>のところには、 フロッピーディスクイメージの一つを当てはめます。 また、`/dev/fd0' はフロッピーディスク装置によく使われている名前 です。(こちらは Solaris 上では `/dev/fd/0' になります。) Unix が フロッピーディスクへの書き込みを終える前に、このコマンドは プロンプトを返すかもしれません。そのため、ドライブからフロッピーディスクを 取り出す前に、フロッピードライブのディスク使用中のランプをみて、 それが消えていること、ディスクの回転が止まっていることを確認してください。 システムによっては、ドライブからフロッピーディスクを取り出すために、 なにかコマンドを実行させなければならないかもしれません。 (Solaris 上では `eject' を使ってくさい。 こちらについてはマニュアルページをご覧ください。) またあるシステムは、フロッピーディスクをドライブに挿入すると、それを自動的 にマウントしようと試みます。 そのようなワークステーションで、イメージを_そのまま_の形式で フロッピーディスクに書き込むためには、 この機能を無効にしなければならないかもしれません。 残念ながら、その設定をどのようにするかはお使いになっている オペレーティングシステムによって異なってきます。 Solaris 上では、`vold' が実行されていないことを確認してください。 その他のシステムに関しては、ご自身のシステム管理者にお尋ねください。 5.6.4.2. DOS や、Windows、OS/2 からディスクイメージを書き込む ------------------------------------------------------------- フロッピーディスクイメージと同じディレクトリに `rawrite2.exe' プログラムが収録されています。 そこには、`rawrite2' の使用説明書を含む `rawrite2.txt' ファイルもあります。 フロッピーディスクにイメージを書き込むためには、 まず最初に DOS をブートしてください。 Windows 上の DOS プロンプトから `rawrite2' を実行すると 問題が発生するとの報告が多く寄せられているからです。 また Windows のエクスプローラ上で `rawrite2' をダブルクリックしても動作しないとの報告も受けています。 もし DOS のブート方法をご存知ない場合は、 ブートの際に _F8_ を押してみてください。 一旦プレーンな DOS をブートして、以下のコマンドを使ってください。 rawrite2 -f <ファイル名> -d <ドライブ名> こちらの<ファイル名>には、 書き込むフロッピーディスクのイメージの一つを、 また <ドライブ名> には ``a:'' もしくは ``b:'' を書き込む先のフロッピードライブに応じて当てはめてください。 5.6.4.3. Atari システム上でディスクイメージを書き込む ----------------------------------------------------- フロッピーディスクイメージのあるディレクトリに、 http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-alpha/current/rawwrite.ttp プログラムがあります。 そのアイコンをダブルクリックして、プログラムを起動し、 TOS プログラムコマンドラインのダイアログボックスで、 フロッピーに書き込みたいフロッピーイメージのファイル名を入力してください。 5.6.4.4. Macintosh システム上でディスクイメージを書き込む --------------------------------------------------------- MacOS には、`mac/images-1.44/rescue.bin' や `mac/images-1.44/driver.bin' のイメージを書き込むアプリケーションがありません。 (これらのフロッピーでインストーラをブートすることも、Macintosh 上からカーネルやモジュールをインストールすることもできないので、 このことは意味のないことです。) しかし、これらのファイルは作業が進めば、オペレーティングシステムや モジュールをインストールするのに必要になってきます。 Macintosh 上でファイルを転送するときは常に注意を払ってください。 `.bin' や `.tgz' といった拡張子のついたファイルは、 必ずバイナリモードで転送しなければなりません。 5.7. CD-ROM ----------- CD-ROM からのブートは、最も簡単なインストール方法の一つです。 ただ、運悪く CD-ROM 上のカーネルがうまく動作しなかったら、 他の方法に戻ってください。 CD-ROM からのインストールは Section 6.4, `CD-ROM からのインストール' で説明します。 特定の CD ドライブには特別なドライバを必要とするものもあります。 そのため、このような CD ドライブには インストールの最初の段階ではアクセスできないかもしれません。 5.8. ハードディスク ------------------- 既存のオペレーティングシステムからブートを行なうことも、 よい選択であることが多いでしょう。 というのもシステムによっては、この方法がサポートされている唯一の インストール方法でもあるからです。 この方法については Section 6.3, `ハードディスクからのブート' にて説明します。 変わったハードウェアやファイルシステムを利用している場合、 インストールの最初の段階では ハードディスク上のファイルにアクセスできないかもしれません。 もしそのハードぅエアやファイルシステムが Linux カーネルでサポートされていなければ、 そちらには最後までアクセスできません! 5.9. NFS からのインストール --------------------------- NFS 経由でインストールできるのは、その性質上基本システムだけです。 すでに説明した方法のいずれかを用いて、手元で利用できる Rescue Floppy と Driver Floppies を用意しておく必要があるでしょう。 NFS 経由で基本システムをインストールするためには、章 7, ``dbootstrap' によるシステムの初期設定' での説明の通りに標準的なインストール手順を踏まなければな りません。忘れずに、お使いのイーサネットカード用のモジュール (ドライバ) と、 NFS 用のファイルシステムのモジュールをロードしてください。 `dbootstrap' に、 どこに基本システムが置かれているかを尋ねられた時には (Section 7.12, ```基本システムのインストール''')、NFS を選択しその指示にしたがってください。 ------------------------------------------------------------------------------- 6. インストーラのブート ----------------------- この章では、まず初めに Debian のブートに関する一般的な情報について 説明した上で、個々のインストール方法についてそれぞれ節を設けて説明し、 最後にトラブルシューティングに関するアドバイスについて述べます。 6.1. ブートパラメータの引数 --------------------------- ブートパラメータは、周辺機器の正確な制御を保証するために、 一般的に用いられる Linux カーネルのパラメータです。 カーネルはたいてい周辺機器の情報を自動的に検出します。しかし、 場合によってカーネルには少々の補助が必要です。 ブートに用いるコンソールファームウェアによって、 カーネルにパラメータを渡す方法は異なってきます。 それらの方法については、それぞれのブート方法ごとに後述します。 ブートパラメータに関する完全な情報は、 Linux ブートプロンプト HOWTO (http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/BootPrompt-HOWTO.html) にあります。この節では最も重要なパラメータの概略のみを扱います。 このシステムを初めてブートする場合は、デフォルトのブートパラメーター を試して (つまり、パラメーターになにも引数を設定しないで)、 正確に動作するかどうかを確認してください。 おそらくそれで問題はないでしょう。もしなにか問題があったら、 あとでリブートし、お使いのハードウェアに関する情報をシステムに 伝えるために必要になる、特別なパラメータを調べてください。 カーネルがブートする際そのプロセスの最初のほうで、 `Memory: k/k available' というメッセージが表示されるでしょう。 は利用可能な全メモリー量をキロバイト単位で表しています。 もしこれが、実際に搭載している RAM の量と一致しなかったならば、 `mem=' というパラメータが必要でしょう。 のところには、実際に搭載しているメモリー量を、 キロバイト単位なら ``k''、メガバイト単位なら ``m'' を付加して当てはめます。 例えば `mem=8192k' も `mem=8m' も 8MB の RAM を意味します。 お使いのモニタが白黒表示しかできないものでしたら、 ブート引数に `mono' を使ってください。 そうしなければ、インストールの際、標準でカラー表示が用いられます。 ブートの際にシリアルコンソールを使っているならば、 通常カーネルはこちらを自動検出します。 ただ、シリアルコンソール経由でブートしたいコンピュータに、 ビデオカード (フレームバッファ) とキーボードがあるならば、 カーネルに `console=<デバイス名>' という引数を 渡す必要があるかもしれません。 <デバイス名>の箇所には、お使いになる シリアルデバイスを当てはめますが、 こちらは普通 ``ttyS0'' のようなものになるでしょう。 繰り返しますが、ブートパラメータに関する完全な情報は、 Linux ブートプロンプト HOWTO (http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/BootPrompt-HOWTO.html) にあります。こちらにはマイナーなハードウェアに関する情報もあります。 また雑多な共通事項に関しては、Section 6.10, `ブートプロセスに関するトラブルシューティング' にて説明します。 6.2. カーネルのスタートアップメッセージの解説 --------------------------------------------- 一連のブート作業が行われている間、 「〜が見つかりません `can't find something'」や、 「〜がありません `something not present'」、 「〜は初期化できません `can't initialize something'」、あるいは 「このリリースのドライバは、〜に依存しています `this driver release depends on something'」 といったたくさんのメッセージが表示されるかもしれません。 これらのメッセージのほとんどは、気にする必要のないものです。 というのも、これらのメッセージは、 インストーラのカーネルがさまざまな周辺機器に幅広く対応するように 構築されているために、表示されるものだからです。 明らかに、可能な限りあらゆる周辺機器を装備したようなコンピュータは 存在しません。そのためオペレーティングシステムは、 実際には搭載されていない周辺機器を探そうとしていくらか文句を言っているのです。 また、システムが短時間停止しているかに見えることもあるかもしれません。 このことは、実際にシステムに搭載されていないデバイスからの反応を、 カーネルが待っていることから起きることです。 もし、システムのブートに我慢できないほど時間がかかる場合は、 独自のカーネルを構築してください。(Section 8.4, `新しいカーネルのコンパイル' をご覧ください。) 6.3. ハードディスクからのブート ------------------------------- 場合によっては、既存のオペレーティングシステムからブートなさりたい かもしれません。 インストーラを他の方法を用いてブートすることは可能ですが、 基本システムはディスクからインストールしてください。 6.3.1. Linux パーティションからのインストール --------------------------------------------- ext2fs パーティション、あるいは Minix パーティションから Debian をインストールすることもできます。 こちらのインストール方法は、例えばすでにインストールされた Linux システムを Debian で完全に置き換える場合に適切です。 Debian のインストール_元_のパーティションと、インストール_先_のパーティションは、別にしなければならないことにご注意ください。 (すなわち、`/'、`/usr'、`/lib' などそのすべてを別にしてください。) 既存の Linux パーティションからインストールする場合は、 以下の説明にしたがってください。 1. 以下の一連のファイルを入手し、それらを Linux パーティションにある ディレクトリに置いてください。 * Rescue Floppy のイメージ (Section 5.4.2, `初期ブートに必要なファイル' をご覧ください。) * Section 5.4.3, `ドライバファイル' から、いずれかの Driver Floppies アーカイブ * http://http.us.debian.org/debian/dists/potato/main/disks-alpha/current/base2_2.tgz 2. パーティションからインストールをする際、 他のブート方法のうち都合のよいものを用いることができます。 以下では、フロッピーでブートしていると仮定していますが、 もちろんどんなインストーラをどんな方法でブートしても構いません。 3. Section 5.6.4, `ディスクイメージからフロッピーを作成する'で説明したように、Rescue Floppy を作成します。 また Driver Floppies が必要になることも覚えておいてください。 4. Rescue Floppy をフロッピードライブに挿入して、 コンピュータをリブートしてください。 5. 以下の節はとばして、章 6, `インストーラのブート'をご覧ください。 6.4. CD-ROM からのインストール ------------------------------ もしブート可能な CD ドライブをお持ちで、お使いのアーキテクチャやシステムが CD-ROM からのブートをサポートしているなら、フロッピーはまったく必要ありません。 Alpha における CD-ROM からのブートは、i386 の場合よりも若干複雑です。 しかし、必要になるフロッピーの数を減らすためには、 この方法には試すだけの値打ちがあります。 CD やフロッピーからの Alpha システムのブートについては、 より詳しい情報を 章 6, `インストーラのブート' にてご覧ください。 CD-ROMからブートできない場合でも、Debian の基本システムを CD-ROM からインストールすることは可能です。 単に他のインストール方法の一つを用いてブートしてください。 つまり、基本システムや追加パッケージをインストールするときに、 Section 7.12, ```基本システムのインストール''' の説明にしたがって、CD-ROM ドライブをインストールシステムとして選択すればよいのです。 6.5. TFTP からのブート ---------------------- BOOTP サーバ と TFTP サーバの二つのサーバを設定する必要があります。 BOOTP は、あるコンピュータが自身の IP アドレスと、 ブートイメージをネットワークのどこから入手できるかを伝えるために 用意されている IP プロトコルです。 Sparc や PowerPC マシンの Open Firmware とは異なり、 SRM コンソールは自身の IP アドレスを調べるために RARP を_使いません_ので、Alpha マシンをネットワークブートするには BOOTP を利用しなければなりません。 なお、SRM コンソールで ネットワークインターフェイスの IP 設定を 直接設定することも可能です [1]。 簡易ファイル転送プロトコル Trivial File Transfer Protocol (TFTP) は、ブートイメージをクライアントに提供するために用いられます。 理論的には、これらのプロトコルが用意されていれば、 どんなプラットフォームのいかなるサーバでも利用できます。 この節の例では、SunOS 4.x、SunOS 5.x (別名 Solaris) と GNU/Linux 用のコマンドを紹介します。 [1] Alpha システムは DECNet MOP (Maintenance Operations Protocol) を利用してネットワークブートを行なうこともできますが、 ここでは説明しません。 ご自分の Alpha マシンで Linux をブートするのに MOP を利用しなければならない必要性があるならば、 おそらくお近くの OpenVMS オペレータが手を差し伸べてくれるでしょう。 6.5.1. BOOTP の設定 ------------------- GNU/Linux から利用できる BOOTP サーバには、 CMU bootpd と ISC dhcpd の二つがあります。 これらはそれぞれ Debian GNU/Linux の `bootp' および `dhcp' パッケージに収録されています。 CMU bootpd を利用するには、まず最初に /etc/inetd.conf にある適切な行を (加えるなり) コメントから外すなりしなければなりません。 そのためには Debian GNU/Linux の場合、 `update-inetd --enable bootps' を実行してから、 `/etc/init.d/inetd reload' を実行すればよいでしょう。 その行は以下のようになっているはずです。 bootps dgram udp wait root /usr/sbin/bootpd bootpd - i -t 120 次に `/etc/bootptab' ファイルを作成しなければなりません。 こちらは、古きよき BSD の `printcap(5)' および、 `termcap(5)'、`disktab(5)' ファイルと似た、 暗号形式になっています。 より詳しい情報については、`bootptab(5)' man ページをご覧ください。 なお、CMU bootpd を利用する場合、 クライアントのハードウェア (MAC) アドレスを調べておかなければなりません。 一方、ISC dhcpd を利用しての BOOTP の設定はとても簡単です。 というのも ISC dhcpd は、BOOTP クライアントを DHCP クライアントの特別な一例として適切に扱ってくれるからです。 ブートイメージのファイル名や、 クライアント対クライアントで NFS ルートのパスなどを オプションとして指定したい場合や、 ご自分のマシンに BOOTP や DHCP を使って 固定アドレスを割り当てたい場合を除けば、 クライアントのハードウェア (MAC) アドレスを調べる必要はまったくありません。 クライアントが所属するサブネットの設定ブロックに `allow bootp' 命令を追加した上で、 `/etc/init.d/dhcpd restart' として dhcpd を再起動するだけで結構です。 6.5.2. TFTP サーバを有効化する ------------------------------ TFTP サーバを用意するためには、 最初に `tftpd' が動作するようになっているかを確認してください。 普通 `/etc/inetd.conf' に以下の行を付け加えれば、 `tftpd' が動作するように設定できます。 tftp dgram udp wait root /usr/etc/in.tftpd in.tftpd -l /boot このファイルをご覧になって、`in.tftpd' の引数として使われているディレクトリを覚えておいてください。 後で必要になります。 `in.tftpd' のバージョンによっては、 `-l' オプションを用いることで、 システムログにすべてのリクエストを記録することができます。 こちらはブートエラーを診断するのに有益です。 もし `/etc/inetd.conf' に変更が必要だったならば、 このファイルに変更があったことを、 実行中の `inetd' のプロセスに伝える必要があります。 Debian マシンなら `/etc/init.d/netbase reload' (potato/2.2 以降のシステムでは `/etc/init.d/inetd reload') を実行し、 また他のマシンでは、`inetd' のプロセス ID を探して、 `kill -1 ' を実行してください。 6.5.3. TFTP イメージの設置 -------------------------- 次に、必要な TFTP ブートイメージ `tftpboot.img' を Section 5.4, `システムファイルインストールの解説' で探し、それを `tftpd' ブートイメージディレクトリに置いてください。 一般的にこのディレクトリは、Debian では `/boot' に、 他のオペレーティングシステムでは `/tftpboot' になります。 そうしたら、このファイルから、 `tftpd' が特定のクライアントのブートに用いる ファイルにリンクを張らなければなりません。 残念ながら、そのファイル名のつけられ方に明確な標準というものはなく、 それは、TFTP クライアントによって異なってきます。 ただたいてい、TFTP クライアントが探すファイルは、 <クライアントの IP アドレス (16 進数)-クライアントのアーキテクチャ> となります。 <クライアントの IP アドレス (16 進数)> を算定するには、クライアントの IP アドレスの各バイトを取り出し、 それを 16 進数に変換してください。 お手元のマシンに `bc' プログラムがあれば、 このプログラムを使うこともできます。 この場合、最初に出力に 16 進数を使うよう設定するために `obase=16' を発行して、それからクライアントの IP アドレスの各要素を一つずつ入力します。 <クライアントのアーキテクチャ>に関しては、 いくつかの値を試してみてください。 Alpha の場合、SRM `boot' コマンドで引数 `-file' を用いるか、 `BOOT_FILE' 環境変数を設定して、 (相対パスでブートイメージを直接指定するかたちで) ファイル名を指定しなければなりません。 あるいは、(ISC dhcpd で `filename' 命令を使い) そのファイル名を BOOTP 経由で指定することもできます。 Open Firmware とは異なり、 SRM には_デフォルトのファイル名というものは存在しません_ので、 上記の方法のいずれかを用いて ファイル名を指定しなければ_なりません_。 一旦その名前が限定できたら、 `ln /boot/tftpboot.img /boot/<ファイルネーム>' のようにして、リンクを張ってください。 さあ、実際にお使いのシステムをブートする準備をしてください。 SRM でイーサネットインターフェイスは `ewa' という接頭辞を用いて名付けられ、 `show dev' コマンドを利用すると 以下のようにその一覧が表示されます。 >>>show dev ewa0.0.0.9.0 EWA0 08-00-2B-86-98-65 ewb0.0.0.11.0 EWB0 08-00-2B-86-98-54 ewc0.0.0.2002.0 EWC0 00-06-2B-01-32-B0 そして、一番目のイーサネットインターフェイスからブートを行なう場合には、 以下のように入力します。 >>>boot ewa0 シリアルコンソールを利用したい場合には、 `console=' パラメータをカーネルに伝えなければ_なりません_。 こちらは SRM `boot' コマンドで 引数 `-flags' を利用することで行なえます。 シリアルポートには `/dev' 以下の対応するファイルと 同じ名前が付けられます。 例えば、`ewa0' からブートし、 一番目のシリアルポートからコンソールを利用するには、 以下のように入力します。 >>>boot ewa0 -flags console=ttyS0 _NOT YET WRITTEN_ 6.5.4. TFTP および NFS ルートを用いてインストールする ----------------------------------------------------- RAM ディスクに余分なものをロードせず、 新たに作成した nfs-root ファイルシステムからブートすることから、 こちらの方法は 「メモリの少ないシステムへの TFTP によるインストール」 とよく似ています こちらの方法では、tftpboot イメージへのシンボリックリンクを カーネルイメージ (例えば linux-a.out) へのシンボリックリンクに 置き換える必要があります。 ネットワーク越しのブートに関する本文書の著者の経験はもっぱら、 同じサーバにすべてのデーモンが動作している RARP/TFTP に基づいたものです。 (sparc ワークステーションは、tftp リクエストを 先に送っておいた rarp リクエストに応答するサーバに返します。) しかし、Linux は BOOTP プロトコルもサポートしていますが、 この文書の著者は、それをどのように設定するのか知りません :-((。 このマニュアルにそれが同様に付記される必要はあるでしょうか? 6.6. Alpha コンソールファームウェア ----------------------------------- コンソールファームウェアはフラッシュ ROM に収められ、 Alpha システムに電源が入ったときやリセットが行なわれたとき実行されます。 Alpha システムで用いられているコンソールの仕様には異なるものが二つあり、 以下の二種類のコンソールファームウェアが利用できます。 * _SRM コンソール_は、 Alpha コンソールサブシステム仕様に基づき、OpenVMS や Tru64 UNIX、Linux オペレーティングシステム用の オペレーティング環境を提供します。 * _ARC、AlphaBIOS、ARCSBIOS コンソール_は、 Advanced RISC Computing (ARC) コンソールサブシステム仕様に基づき、 Windows NT 用のオペレーティング環境を提供します。 ユーザの観点からすれば、SRM と ARC の最も重要な相違点は、 選択するコンソールによって ブート可能なディスクパーティション構造が異なってくる点です。 ARC を使う場合、ブートディスクには (`cfdisk' などで作成した) MS-DOS パーティションテーブルを使わなければなりません。 そのため、ARC からぷーとする場合は、MS-DOS パーティションテーブルが 「ネイティブ」なパーティションフォーマットになります。 実際、AlphaBIOS にはディスクパーティションユーティリティが含まれているので、 Linux をインストールする前に、ファームウェアのメニューから ご自分のディスクのパーティションを作成されたいかもしれません。 反対に、SRM は MS-DOS パーティションテーブルとは_非互換_です [1]。 Tru64 Unix は BSD ディスクラベルフォーマットを利用するために、 SRM をインストールする場合、 こちらが「ネイティブ」なパーティションフォーマットとなります。 GNU/Linux は、両方のコンソールからブートできる 唯一の Alpha 用オペレーティングシステムです。 そのため、その選択は、同一のマシン上で他にどのような オペレーティングシステムを動作させたいかによっても異なってくるでしょう。 他の Unix ライクなオペレーティングシステム (Tru64 Unix や FreeBSD、OpenBSD、NetBSD) は SRM からのみブートでき、一方、Windows NT は ARC からのみブートできます、 以下の表は、利用可能でサポートされている システムおよびコンソールの組み合わせをまとめたものです。 (機種名については Section 2.1.2, `CPU や、マザーボード、ビデオカード のサポート' をご覧ください。). 以下に示されている `ARC' という単語は、 あらゆる ARC 互換コンソールを指しています。 機種 サポートされているコンソールタイプ ==== ================================== alcor ARC か SRM avanti ARC か SRM book1 SRM のみ cabriolet ARC か SRM dp264 SRM のみ eb164 ARC か SRM eb64p ARC か SRM eb66 ARC か SRM eb66p ARC か SRM jensen SRM のみ lx164 ARC か SRM miata ARC か SRM mikasa ARC か SRM mikasa-p SRM のみ nautilus ARC のみ (マザーボードのマニュアルをご覧ください。) noname ARC か SRM noritake SRM のみ noritake-p SRM のみ pc164 ARC か SRM rawhide SRM のみ ruffian ARC のみ sable SRM のみ sable-g SRM のみ sx164 ARC か SRM takara ARC か SRM xl ARC のみ xlt ARC か SRM 一般的に Linux を直接ブートできるコンソールはありませんので、 ブートローダの仲介による補助が必要になります。 Linux ローダには主に `MILO' と `aboot' の二つがあります。 `MILO' はそれ自身がコンソールであり、 メモリ上で ARC や SRM に取って替ります。 `MILO' は ARC および SRM のどちらからでもブートが可能で、 ARC コンソールから Linux をブートする唯一の方法でもあります。 `MILO' はプラットフォームに依存し、 (それぞれのシステムに応じて異なる `MILO' が必要になるので、) `MILO' はそれらのシステム向けのもののみ存在します。 各システム向けの ARC サポートは上記の表に示されています。 (残念なことに更新はされていませんが) MILO HOWTO (http://www.linuxdoc.org/HOWTO/MILO-HOWTO.html) もご覧ください。 `aboot' は小さな、プラットフォーム独立のブートローダです。 こちらは SRM からのみ動作します。 `aboot' に関するより詳しい情報については、 (残念なことに更新はされていませんが) SRM HOWTO (http://www.linuxdoc.org/HOWTO/SRM-HOWTO/) をご覧ください。 システムのコンソールファームウェアによって、 また、`MILO' が利用できるかどうかによって、 一般的には以下の三つの方法があります。 SRM -> aboot SRM -> MILO ARC -> MILO Alpha Processor, Inc. の UP1000 マザーボード (サブアーキテクチャ名 `nautilus') は他のものとは異なっています。 こちらは API 専用のブートローダを利用し、 AlphaBIOS ファームウェアの下で動作します。 UP1000 用のインストールディスクは (まだ) ありませんが、 マニュアルの説明にしたがい、インストールディスクの root.bin を利用して、`generic' あるいは `nautilus' カーネルをブートすればインストールはできるはずです。 現行 (2000 年 2 月現在) の Alpha システムのすべてで `MILO' が利用できるわけではないことや、 SRM ファームウェアを旧式の Alpha に用意するために OpenVMS や Tru64 Unix のライセンスを購入する必要がもはやないことから、 GNU/Linux を新たにインストールする際、 Windows NT とのデュアルブートが必要なく、 DOS パーティションディスクがないならば、 SRM および `aboot' の利用をお勧めします。 AlphaServer の大半や、現行のサーバおよびワークステーション製品には、 そのファームウェアに SRM および AlphaBIOS の両方が含まれています。 さまざまな拡張ボードのような "half-flash" マシンならば、 ファームウェアを更新することで、 異なるファームウェアに切り替えることもできます。 また、一度 SRM をインストールすれば、(`arc' コマンドを利用して) フロッピーディスクから ARC/AlphaBIOS を実行することができます。 他のアーキテクチャの場合と同様、Debian をインストールする前に、 ファームウェア [2] は利用できる最新のバージョンをインストールしてください。 Alpha の最新ファームウェアは Alpha ファームウェアアップデート (http://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/) から入手できます。 [1] 特に、コンソールサブシステム仕様によって必要となる ブートセクターフォーマットは、DOS パーティションテーブルの配置と競合します。 [2] バージョン 1.7 以降のファームウェアでのみ Linux がサポートされている Jensen は除きます。 -- 詳しくは http://www.alphalinux.org/faq/FAQ-9.html をご覧ください。 6.7. SRM コンソールからのブート ------------------------------- SRM プロンプト (`>>>') で、 以下のコマンドを発行してください。 >>> boot dva0 -flags 0 場合によっては `dva0' の箇所を 実際のデバイス名に置き換えてください。 通常、`dva0' はフロッピーです。 >>> show dev と入力すれば、(例えば CD からブートを行ないたい場合などに) デバイス一覧を見ることができます。 `MILO' を利用してブートを行なう場合は、 `-flags' 引数が無視されることにご注意ください。 そのため `boot dva0' と入力してください。 すべてが適切に動作していたら、 Linux カーネルがブートしているのを確認できるでしょう。 `aboot' を利用してブートする際に、 カーネルパラメータを指定したい場合は、 以下のコマンドを用いてください。 >>> boot dva0 -file linux.gz -flags "root=/dev/fd0 load_ramdisk=1 arguments" (こちらを一行で入力し、) 必要があれば、 `dva0' となっている SRM ブートデバイス名を、 `fd0' のような Linux ブートデバイス名に置き換え、 必要なカーネルパラメータを `arguments' の箇所で指定してください。 `MILO' を利用してブートを行なう際に、 カーネルパラメータを指定したい場合は、 一旦 `MILO' のプロンプトを呼び出して、 ブートストラップを中断する必要があるでしょう。 Section 6.9, `MILO によるブート' をご覧ください。 6.8. ARC や AlphaBIOS コンソールからのブート -------------------------------------------- OS 選択メニューで、ブートローダとして `linload.exe' を、 OS パスとして `milo' を指定してください。 ブートには新規に作成したエントリを用いてください。 6.9. MILO によるブート ---------------------- インストーラをブートするには、MILO のプロンプトで 以下のコマンドを入力してください。 MILO> boot fd0:linux.gz root=/dev/fd0 load_ramdisk=1 フロッピー以外のメディアからブートを行ないたい場合は、 上記の例にある `fd0' の箇所を、 Linux 式の適切なデバイス名に変更してください。 なお、`help' コマンドを使えば、MILO の簡単なコマンドリファレンスを参照することができます。 6.10. ブートプロセスに関するトラブルシューティング -------------------------------------------------- もし何か問題があって、ブートプロセスの最中にカーネルがハングしたり、 実際に搭載してある周辺機器やドライブが正確に認識されなかった場合は、 まず最初に、Section 6.1, `ブートパラメータの引数' の説明の通りにブートパラメーターを 確認してください。 またこのような問題は、増設したカードや周辺機器を取り外すことで 解決できることもよくあります。こちらも試してみて、 もう一度ブートしてみてください。 もしまだ何か問題がある場合は、バグレポートを提出してみてください。 これは、 宛に電子メールで送ってください。 なお、その電子メールの先頭行には_必ず_以下の記述を付け加えてください。 Package: boot-floppies Version: のところに、お使いの boot-floppies パッケージのバージョンを必ず書き添えてください。 もしその_バージョン_がご不明の場合は、そのフロッピーをダウンロード した日付を、どのセクション ( ``stable'' や ``frozen'' など) からダウンロードしたかを添えて、書いてください。 バグレポートには以下のような情報を添えてください。 architecture: alpha model: <お使いになっているハードウェアのモデル名> memory: scsi: <もしあれば、SCSI ホストアダプタの名前> cd-rom: network card: <もしあれば、ネットワークインターフェースカードの名前> pcmcia: 問題の性質にもよりますが、インストール先のディスクが IDE ディスクなのか SCSI ディスクなのか、また、オーディオのような他の周辺機器、ディスク容量、 ビデオカードのモデル名などの情報を書き添えることも有益でしょう。 バグレポートの際には、カーネルがハングした際最後に表示される カーネルメッセージを添えて、何が問題なのかを説明してください。 また、問題が起きるまでにシステムに対して行ったことも記述してください ------------------------------------------------------------------------------- 7. `dbootstrap' によるシステムの初期設定 ---------------------------------------- 7.1. `dbootstrap' 入門 ---------------------- `dbootstrap' は、インストーラがブートした後に起動する プログラムです。このプログラムが、システムの初期設定と「基本システム」 のインストールを請け負います。 `dbootstrap' の主な役割、およびシステム初期設定の主な目的は、 お使いになるシステムの主要な設定を行うことです。 例えば、必要ならば IP アドレスやホスト名など ネットワークに関する設定はこちらで行います。 また、「カーネルモジュール」の設定もこちらで行います。 カーネルモジュールとは、カーネルに組み込まれるドライバです。 これらのモジュールには、外部記憶装置のハードウェアドライバや、 ネットワークドライバ、特定の言語や、 他の周辺機器のサポートなどが含まれています。 お使いになるシステムの正確な動作やこれ以降のインストール作業に必要な、 これらの基本的な設定をまず最初に行います。 `dbootstrap' は、シンプルなキャラクタベースのアプリケーションです。 (システムによってはグラフィック機能のないものもあります。) `dbootstrap' の使い方は一般的にはとても簡単で、 その指示にしたがうことで、 インストールの各作業段階を順々にこなすことができます。 また、何か間違いがあったことに気づけば、 前に戻ってその作業をやり直すこともできます。 `dbootstrap' での操作には、矢印キー、_Enter_ キー、 _Tab_ を使います。 Unix や Linux に熟練されている方ならば、 2 番目の_仮想コンソール_を呼び出すために、 _左 Alt-F2_ を押してください。 つまり、スペースバーの左手にある _Alt_ キーと、ファンクションキーの _F2_ を同時に押します。 こちらは `ash' と名付けられた Bourne shell のクローンが起動する独立したウィンドウです。 この時点では RAM ディスクからブートしているので、ご利用になれる Uniix ユーティリティには限りがあります。 `ls /bin /sbin /usr/bin /usr/sbin' とコマンドを入力すれば、 どんなプログラムが利用可能かを確認することができます。 メニューで行える作業はすべてメニューで行い、 シェルや他のコマンドは何か問題のある場合のみ使ってください。 特にスワップパーティションを有効にする際には、 シェルからこちらの操作を行われても、 メニューソフトウェアはそのことを検知できませんから、 常にシェルではなくメニューを使うべきです。 メニューに戻るには _左 Alt-F1_ を押してください。 Linux は 64 個の仮想コンソールを提供していますが、 Rescue Floppy ではそのいくつかしか使えません。 エラーメッセージは、普通 3 番目の仮想ターミナル (`tty3') にリダイレクトされます。 _左 Alt-F3_ (_Alt_ キーを押しながら、 _F3_ ファンクションキーを押す) を押せばこのターミナルに移動することができ、 また、_左 Alt-F1_ を押せば `dbootstrap' に戻ることができます。 7.2. ``Debian GNU/Linux インストールメインメニュー'' ---------------------------------------------------- システムによっては早過ぎて読めないかもしれませんが、``インストールプログラムは、あなたのシステムの現在の状態と、次に実行すべきインストールステップを判断します。'' というダイアログが表示されます。このダイアログボックスは、 メインメニューの各作業段階の間に表示されます。 インストールプログラム `dbootstrap' は その各作業段階の間にシステムの状態を調査します。 この調査の結果を用いれば、 インストールプロセスの最中にシステムが停止するようなことが起きた場合にも、 すでに済ましている作業を無駄にせずに インストールをやり直すことができます。 インストールを最初からやり直さなければならない場合も、 キーボードの設定、スワップパーティションの再有効化、 初期化済みディスクの再マウントは行う必要があります。 ただ、それ以外にこちらで行った作業は、 すべてインストーラによって保存されているでしょう。 インストールの間は ``Debian GNU/Linux インストールメインメニュー'' という見出しのついた メインメニューが表示されています。 メニューの一番上の選択肢は、インストーラ上で次にするべき項目に順次 変わっていきます。 Phil Hughes 氏は Linux ジャーナル (http://www.linuxjournal.com/)で、Debian のインストールは_ニワトリ_ にさえ教えることができるだろうと書いています。 つまり、Debian のインストールはほとんど _Enter_ キーを_くちばしでつっつく_だけだと言いたかったようです。 インストールメニューでまず選択すべきものは ``次''で 示される項目です。 システムはすでに済ませている作業を調べ、 その結果にそってこの項目を決定します。 通常は ``次'' で示される作業項目を選んでください。 こうすることで、システムインストールのその時点での次の作業段階に進みます。 7.3. ``キーボードの設定'' ------------------------- ``次'' の項目にカーソルがあるのを確認して、_Enter_ キーを押し、 キーボードの設定メニューに移ってください。 ご自分の母国語で使われる配列に一致するキーボードを選択するか、 また、もしご希望されるキーボードの配列が表示されていなかったならば 似た配列のものを選択してください。 なお一旦システムのインストールが完了すれば、幅広い選択肢の中からキーボ ード配列を選ぶこともできます。 (その場合は、インストールの終了後ルートアカウントで `kbdconfig' を実行してください。) お使いになるキーボードの設定にカーソルを移動し、 _Enter_ キーを押してください。 カーソルの移動には矢印キーを使ってください。 -- 矢印キーは、どんな言語のキーボードでも同じ場所にあるため、 こちらのキーボードの設定には依存しません。 もしディスクレスワークステーションにインストールされている場合は、 パーティションを作成するようなローカルディスクはありませんから、 次のいくつかの作業段階はとばされるでしょう。 その場合次の作業項目は Section 7.11, ```ネットワークの設定''' になります。 その終了後、Section 7.8, ```以前に初期化されたパーティションのマウント''' で説明されているように、 マウントする NFS ルートパーティションを指定するよう求められるでしょう。 7.4. ラストチャンス! --------------------- すでにバックアップをとるようにお勧めしたかと思います。 これがディスクの中身をきれいに消去する最初の機会であり、また、古いシステム を保存する最後の機会でもあります。 もし、バックアップをとっていなかったら、 フロッピーを抜き、システムをリセットしてバックアップを行ってください。 7.5. ``ハードディスクのパーティションを切る'' --------------------------------------------- まだ、Linux native (専用) パーティションと Linux swap (スワップ) パーティションのそれぞれを、 Section 4.6, `インストール前のパーティション分割' で説明した方法などでは、 一つも作成されていない場合、 ``次'' で示されるメニューの項目は ``ハードディスクのパーティションを切る'' になります。 もしすでに Linux native パーティションと Linux swap パーティションを少な くとも一つずつ作成されていれば、 ``次'' で示されるメニューの項目は ``スワップパーティションの初期化と有効化'' になります。 もちろん、お使いのシステムのメモリが少なくて、 システムが始動したら直ちにスワップパーティションを 有効にするように求められたならば、この段階はとばしても結構です。 メニューの ``次'' で示される項目に関わらず、 下矢印キーを使えば ``ハードディスクのパーティションを切る'' を選ぶことができます。 ``ハードディスクのパーティションを切る'' のメニューでは、 パーティションを作成できるディスクの一覧 が表示され、さらにパーティションを作成するアプリケーションが実行されます。 ``Linux native'' (type 83) ディスクパーティションは、少なくとも一つ作成 しなければなりません。また 章 4, `ハードディスクのパーティション分割' で説明したように、 最低一つは ``Linux swap`` (type 82) パーティションを作成する必要があるでしょう。 もしお使いのシステムでパーティションを作成する方法が不確かな場合は、 こちらの章に戻って、そちらをお読みください。 お使いになるマシンのアーキテクチャにも依りますが、 さまざまなパーティション作成プログラムがご利用になれます。 お使いになるマシンのアーキテクチャでご利用になれるプログラムには、 以下のものがあります。 `fdisk' グルに最適な、Linux オリジナルディスクパーティション作成プログラムです。 fdisk man ページ (fdisk.txt)をお読みください。 `cfdisk' 一般ユーザのための、 操作の容易なフルスクリーン表示ディスクパーティション作成プログラムです。 cfdisk man ページ (cfdisk.txt) をお読みください。 ``ハードディスクのパーティションを切る'' を選択すると、 上記のプログラムの一つがデフォルトで実行されます。 もしデフォルトで実行されるプログラムがお望みのものでない場合は、 まずそのディスクパーティション作成プログラムを終了してから、 シェル (tty2) を起動し、お望みのプログラムの名前を (必要なら引数を添えて) 直接入力してください。 そうしたら、`dbootstrap' の ``ハードディスクのパーティションを切る'' という作業段階はとばして、 次の作業段階に進んでください。 スワップパーティションを別に用意することを強くお勧めしますが、 そちらを用意せずに済ましたいと強く望まれる場合、 また、お使いになるシステムに 16MB 以上の RAM が搭載されている場合は、 スワップパーティションを用意されなくても構いません。 この場合は ``スワップパーティションなしで済ませる'' という項目を選んでください。 SRM コンソールからブートする場合、ディスクのパーティション作成には `fdisk' を使わなければなりません。 こちらが、aboot に必要である BSD ディスクラベルを操作できる 唯一のパーティション作成プログラムだからです。 (SRM ブートブロックと MS-DOS パーティションテーブルとに 互換性がないことにはご注意ください。 -- Section 6.6, `Alpha コンソールファームウェア' をご覧ください。) `MILO' からブートするのでなければ、 `dbootstrap' はデフォルトで `fdisk' を実行します。 パーティションを作成しようとするディスクに BSD ディスクラベルがすでに存在している場合、 `fdisk' はデフォルトで BSD ディスクラベルモードになります。 そうならない場合は、'b' コマンドを使ってディスクラベルモードに入ってください。 Tru64 Unix やフリーな 4.4BSD-Lite 派生オペレーティングシステム(FreeBSD や、OpenBSD、NetBSD) からパーティションを作成したディスクを使いたくない場合、 ディスク全体を含むような 第三パーティションを作成し_ない_ことをお勧めします。 このことが必要となるのは `aboot' のためではありません。 実際、`swriteboot' ユーティリティがパーティションにブートブロッ クが重なっていると文句を言うことから混乱するかもしれません。 また、`aboot' はディスクの最初の数セクタ (今のところ 70KB か 150KB 必要になります) に書き込まれるため、 ディスクの先頭部分に十分な空きスペースを残しておかなければ_なりません_。 以前は、ディスクの最初に小さなパーティションを作成し、 フォーマットしないでおくことが勧められていました。 同じ理由から、GNU/Linux のみで使うディスク上には この処置を行なわないことをお勧めします。 ARC インストーラを使う場合、 `MILO' と `linload.exe' を収めるために、 ディスクの先頭部分に小さな FAT パーティションを作成しなければなりません。 -- 1 MB あれば十分です。 こちらに関しては Section 4.6, `インストール前のパーティション分割' をご覧ください。 なお、今のところこれらのファイルに関しては、 FAT パーティションを Linux にマウントしたり、 `mtools' を利用したりして、 手動でコピーしなければなりません。 `mkdosfs' を利用してシェルからインストールディスクに FAT パーティションを作成することもできます。 7.6. ``スワップパーティションの初期化と有効化'' ----------------------------------------------- ディスクパーティションを一つ作成すると、 ``次'' というメニュー項目が表示されます。 こちらでは次に行なう作業を、スワップパーティションの初期化と利用開始、 初期化済みパーティションの利用開始、またはスワップパーティション無し でのインストール、の 3 つの中から選ぶことができます。 スワップパーティションの再初期化はいつ行なっても差しつかえありませんので、 よく分からない場合は、``スワップパーティションの初期化と有効化'' の項目を選んでください。 このメニュー項目を選択すると、まず最初に ``スワップデバイスとして有効化するパーティションを選択してください。'' という見出しのついたダイアログボックスが表示されます。 すでにご自分で設定されたスワップパーティションが、 標準のデバイスとして表示されているはずです。 もしそうならば、単に _Return_ キーを押してください。 次に、初期化を行なうとそのパーティーション上のデータがすべて破壊されるために、 確認を求めるメッセージが表示されます。 もし問題がないようでしたら、``はい'' を選んでください。 初期化プログラムが実行されると画面が点滅します。 7.7. ``Linux パーティションの初期化'' ------------------------------------- ここでの次の選択項目は ``Linux パーティションの初期化'' のはずです。 もしそうではないならば、それは、 ディスクのパーティションの設定を終了していないか、あるいは、 スワップパーティションの選択をしていなかったからです。 こちらでは Linux パーティションの初期化、あるいは、すでに初期化された Linux パーティションのマウントを行なうことができます。 `dbootstrap' には、古いシステムを壊さずに、 システムのアップグレードをするような機能が_ない_ことには 注意してください。 システムのアップグレードをされたい場合は、 Debian それ自体にアップグレードをする機能がありますので、 `dbootstrap' を使う必要はありません。 Debian 2.2 へのアップグレードの手順については、 アップグレードの手引き (http://www.debian.org/releases/2.2/alpha/release-notes/) をお読みください。 もし空ではない古いディスクパーティションを使う際に、 その中身をきれいにされたい場合は、ここでそれらの初期化を行なってください。 (これによりすべてのファイルが消去されます。) またさらに、先の作業で作成したパーティションもすべて初期化してください。 この時点で初期化されずにマウントされているパーティションは、 同じインストールフロッピーを用いて インストール作業の一部を行なうために使ったものだけでしょう。 `/' ディスクパーティションの初期化とマウントを行なうために、 ``次'' というメニュー項目を選んで選んでください。 最初にマウントや初期化をしたパーティションが `/' (「ルート」と発音します) としてマウントされます。 `/' パーティションをマウントすると、 他のインストール作業を先に進めていない限り、 ``次'' で示されるメニューの項目は ``オペレーティングシステムカーネルとモジュールのインストール'' になります。 他のパーティションをセットアップされたい場合には、 矢印キーを使って該当するメニュー項目を選択することで、 パーティションを初期化したりマウントしたりすることもできます。 もし、`/boot'、`/var'、`/usr' や、 他のファイルシステム用に、独立したパーティションを用意されている場合は、 ここでそれらの初期化やマウントを行なってください。 7.8. ``以前に初期化されたパーティションのマウント'' --------------------------------------------------- Section 7.7, ```Linux パーティションの初期化''' の代わりに ``以前に初期化されたパーティションのマウント'' の作業を行なうこともできます。 中断してしまったインストールを再開する場合や、 すでに初期化済みのパーティションをマウントしたい場合は、 こちらの作業を行なってください。 ディスクレスワークステーションにインストールされている場合は、 この時点でリモート NFS サーバからルートパーティションを NFS マウントすべきでしょう。 標準的な NFS の文法にしたがって、つまり `<サーバの名前か IP アドレス>:<サーバの共有パス>' のように NFS サーバへのパスをしてしてください。 同様にさらに他のファイルシステムをマウントする必要がある場合には、 この時点で行なってください。 まだご自分のネットワークを Section 7.11, ```ネットワークの設定''' の説明の通りに設定していないならば、 NFS インストールを選択するとネットワークを設定するよう促されます。 7.9. ``オペレーティングシステムカーネルとモジュールのインストール'' ------------------------------------------------------------------- ルートパーティションをマウントすると、 これ以前に `dbootstrap' 上で作業済みでない限り、 次のメニュー項目はこちらになるはずです。 こちらではまず最初に、ルートにマウントしたデバイスが適切なものかどうか 確認を求められます。 次に、インストールするカーネルの読み込みに利用できるデバイスの一覧が 表示されます。 カーネルとモジュールをどのデバイスからインストールするのか、 適切なものをこちらから選択してください。 ローカルファイルシステムからインストールされている場合は、まず、 そのデバイスがまだマウントされていないなら ``harddisk'' デバイスを、 マウント済みならば ``mounted'' デバイスを選んでください。 次に、Section 6.3, `ハードディスクからのブート' で De